この記事でわかること
- 住宅ローンを誰に相談すべきかが分かる
- 相談先ごとの強みと限界が分かる
- 借入可能額と、無理なく払える額の違いが分かる
- 相談するときに必ず聞くべきことが分かる
本当の家の値段をご存知でしょうか。
本当の家の値段とは、物件価格だけでなく、諸費用や住宅ローンの金利を合計した金額です。
つまり少しでもお得に住宅を購入するのであれば、正しい住宅ローン選びが必須条件になります。
ところが実際には、ほとんどの人が住宅ローンを比較していません。
住宅金融支援機構の調査(2026年1月調査・回答数1,237件)によると、住宅ローンを選ぶときに比較した数は「1つだけ(現在借りているローンのみ)」が65.6%でした。
そして借入計画で最も参考になった相談先は「住宅・販売事業者」が42.6%で最多です(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2026年1月調査)」)。
物件を売る側にすすめられたローンを、比較せずにそのまま借りているという姿が見えてきます。
私は不動産業界で17年、住宅購入のご相談を受けてきました。
この記事では、住宅ローンを誰に相談すべきか、そして相談するときに何を聞くべきかを書きます。
借入られる金額を借りてはいけない
住宅ローンの相談では、審査や必要書類などの手続き全般のことや、借入額や金利など返済に関すること、住宅ローンの種類や金利のことなどを相談します。
その中の借入額には一定の計算式があり、収入や他の借り入れ状況などからいくらくらいまで借りられそうか教えてもらう事が出来ます。しかし多くの人が犯してしまう間違えがここにあります。
借入額というのはあくまで銀行が勝手に決めた計算式であって、あなたが無理なく払っていける借入額ではないのです。住宅ローンを借りるのはあくまで手段であって、目的ではないことに注意してください。
相談するときのポイント①
借入可能額だけでなく、無理なく返済していける予算についても相談できるところを選びましょう
人によってベストな選択肢は変わる
住宅ローンを探すときのポイントは、「どこが一番いいのか」ではなく「どれが自分に一番合っているか」という考え方です。
住宅ローンは金利が安ければ安い方がいいという方もいますが、万が一の時の団体信用生命保険の補償内容が充実している方がいいという方もいます。
最近では住宅ローン契約者への優遇(おまけ)も充実しており、人によっては金利が安くなるよりもメリットが多くなることもあります。
その他、職業や勤務年数、健康状態によっては利用できる住宅ローンが限られてくる方もいます。つまりその人の価値観や生活パターン、状態によってベストな住宅ローンは変わってくるということです。
相談するときのポイント②
あなたに合った住宅ローンを提案してくれるところに相談しましょう
変動金利と固定金利の仕組みをしっかり理解すること
変動金利は借りる側が、固定金利は貸す側がリスクを負います。
そのぶん固定金利には、貸す側が負うリスクの分が上乗せされています。
2026年8月時点では、変動が0.9%台、35年固定が3.6%台で、2.7%近い差があります。
4,000万円を35年で借りた場合、総返済額は変動が約4,699万円、35年固定が約7,080万円です。
その差は2,381万円になります。
そしてそれぞれのリスクや仕組みをしっかり理解して、どちらがいいのかを選択しなければいけません。中には変動金利の方が支払額が抑えられるため変動金利前提で話をしてくるところもあります。
あなたの住宅ローンの支払いが滞っても誰も責任は取ってくれません。あなたや家族の身を守れるのはあなたしかいません。住宅ローンを借りる前にしっかり理解しておきましょう。
相談するときのポイント③
変動金利と固定金利の仕組みやメリット・デメリットをしっかり伝えてくれるところに相談しましょう
以下の記事では変動金利のリスクについて書いています。合わせてご参考にしてください。
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住宅ローンの変動金利で気を付けること|5年ルールと1.25倍ルールの落とし穴 - スタイルイノベーション
住宅ローンの変動金利で気を付けることを業界17年の現役エージェントが解説します。2026年1月の最新調査では変動型75.0%、全期間固定型は10.1%。5年ルールと1.25倍ルールの落とし穴と、変動と ...
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相談先ごとの特徴
住宅ローンの相談先には、それぞれ強みと限界があります。
すべてに当てはまるわけではありませんが、選ぶ際の参考にしてください。
金融機関
実際に審査をするところなので、審査の内容や必要書類など具体的なことが分かります。
ただし扱っているのはその銀行の商品だけなので、複数の住宅ローンを比べたいときには不向きです。
資金シミュレーションもしてくれますが、ライフプランのシミュレーションではないので、予算は別途検討する必要があります。
ハウスメーカー・販売会社
物件の購入とセットで相談できるので手間がかかりません。
ただしそこの家を買ってもらうことが目的ですので、付加サービスとして捉えたほうがいいです。
先ほどの調査で最も多い相談先がここでした。
売る側と、借り方を相談する相手が同じという状態には注意してください。
借入額が増えれば、より高い物件を買えることになります。
不動産仲介業者
色々な物件を扱い、特定の金融機関に属さないため、第三者の立場で相談に乗ってくれます。
ただし不動産を仲介することが仕事ですので、その他の部分は会社や担当者によって内容が大きく変わります。
住宅ローンの相談実績があったり、ファイナンシャルプランニングを強みとしている不動産仲介業者を探すようにしましょう。
独立系ファイナンシャルプランナー
高度な知識や専門性を有しています。
購入するときだけでなく、買った後のファイナンシャルプランニングも相談できます。
ただし相談業務がメインの仕事になるので、費用がかかります。
比較サイト・一括審査サービス
複数の金融機関の金利を一度に比べられます。
金利の比較には向いていますが、いくら借りるべきかは教えてくれません。
金利を比べる前に、借入額を決めておいてください。
相談するときに必ず聞くこと
どこに相談するにしても、次の3つは必ず聞いてください。
1 金利が1%上がったら返済額はいくらになるか
これに答えられない相手には相談しないでください。
同じ調査では、金利上昇で毎月の返済額が5万円増えた場合の対応について、38.4%が「見当がつかない」と答えています。
借りる前に計算しておけば、避けられる事態です。
2 この商品をすすめる理由は何か
「金利が安いから」だけでは足りません。
団信の内容、保証料と事務手数料、繰上返済の条件を含めて、なぜこれなのかを説明してもらってください。
説明できない相手は、比較していないということです。
3 総支払額はいくらか
表面の金利ではなく、保証料と事務手数料まで含めた総額で比べてください。
金利が低くても手数料が高ければ、逆転することがあります。
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住宅ローンの選び方|表面の金利ではなく総支払額で比べる4つの手順
住宅ローンの選び方を業界17年の現役エージェントが解説します。表面の金利ではなく総支払額で比べる4つの手順と、2026年8月時点で2.7%まで開いた変動と固定の金利差をどう判断するかをまとめました。
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まとめ
住宅ローンは、相談する相手によって出てくる答えが変わります。
物件を売る側だけに相談していると、借入額は大きくなりがちです。
金利が1%上がったときの返済額を出して、それでも払える金額に抑えること。
そのうえで複数の商品を総支払額で比べること。
この2つを守れば、大きな失敗は避けられます。
よくある質問
住宅ローンはどこに相談すればいいですか?
借入額を決める相談と、商品を選ぶ相談は分けてください。
借入額は物件を売る側以外に、商品は複数の金融機関を比べられるところに相談するのが安全です。
不動産会社にすすめられたローンをそのまま借りても大丈夫ですか?
すすめる理由を必ず聞いてください。
「金利が安いから」なのか「そのほうが高い物件を買えるから」なのかで、まったく意味が違います。
いくらまで借りていいですか?
銀行が貸してくれる金額ではなく、金利が1%上がっても払い続けられる金額です。
変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきですか?
2026年8月時点では変動と35年固定の金利差が2.7%近くあります。
私はどちらかといえば変動を選ぶ立場ですが、金利上昇に耐えられる借入額に抑えることが条件です。
複数の金融機関に事前審査を出してもいいですか?
問題ありません。
比較したうえで選ぶために、複数出すことをおすすめします。
相談は無料ですか?
金融機関、ハウスメーカー、不動産仲介業者の相談は無料であることが多いです。
独立系ファイナンシャルプランナーは相談料がかかります。
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宅地建物取引士、2級FP技能士、ホームステージャー2級
ハウスクローバー株式会社、スタイルイノベーション株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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