中古戸建てを購入する時の注意点を徹底解説していきます。中古戸建ては、住宅の種別において最も難易度が高いと言われているジャンルです。
難しいからこそ、しっかりとした知識を身に付けておけば掘り出し物に出会える可能性が高いのも中古戸建てならではのメリットです。これからお伝えしていくことをしっかりと理解して、あなたの中古戸建て購入のお役に立てていただければと思います。
この記事でわかること
- 中古戸建てを買う前に決めておくべき3つのことが分かる
- 資産価値を左右する立地の見方が、広域と狭域の2段階で分かる
- 地盤や災害リスク、建築年による耐震基準の確認方法が分かる
- 住宅ローン控除の築年数要件が廃止されたことが分かる
中古戸建を購入してどんな暮らしを実現させたいのか?

中古戸建てに限らず、住宅を購入するにあたり、目的をはっきりさせておくことはとても重要なことです。
あくまであなたが実現させたい暮らしのイメージがあって、中古戸建てはそれを叶えるためのツール(手段)でしかないからです。
とても基本的なことですが、ここのポイントがしっかりご自身で把握出来ていなかったり、家族で共有されていないと、物件を購入することが目的になってしまいがちです。
物件を購入することが目的になってしまうと、理想の間取りや周辺環境など、中古戸建てに対するこだわりばかりが強くなってしまい、「市場に存在しない物件」をひたらすら探し続けることになってしまうかもしれません。
実際に筆者も現役の不動産エージェントとして、たくさんの顧客の家探しのお手伝いをしてきていますが、家を購入することが目的になってしまっている方も一定数いらっしゃいます。
家を購入することが目的になってしまった方の末路は、何年経っても「市場に存在しない」物件を探しつづけ、時期によっては金利や相場、また住宅ローンの借入期間を考慮すると、無理なく購入できる予算が下がっていき、より見つからなくなるという負のスパイラルに陥ります。
基本的なところですが、住宅を購入してどんな暮らしを実現させたいかは、あなたが思っている以上に大事なことです。これから探し始める方も、すでに探している方も、今一度ここで確認するようにしましょう。
買う前に決めておくこと
譲れない条件や、優先順位を決める

「市場に存在しない」物件を探し続けないためには、あなたやご家族の中で絶対に譲れない条件や、優先順位についてあらかじめ話し合い、共有しておくことがポイントです。
つまりすべての希望条件を100%満たす物件は、まず予算内であることは難しいため、諦めるところも決めておくことが住宅購入で上手くいくための秘訣となります。
ここで気を付けたいのは、あまり条件を増やし過ぎないことです。増やせば増やすほど物件は見つかりにくくなるます。コツとして住んだ後のことをイメージして、「これは住んだら慣れちゃいそうだし、気にならなさそう」「いやいや、毎日のことだから不満が出るよね」などと、条件ごとに考えてみるといいと思います。
無理なく支払える予算を把握する
実際に中古戸建を探す前に、あなたにとって「無理なく支払える予算」を把握しておくことが必要です。いくらよい中古戸建てを購入できたとしても、無理なく支払える予算をオーバーしていて、生活が苦しくなるようでは本末転倒です。
中古戸建てに限らず住宅を探すときの正しい順序は、先に予算を把握することです。そしてその予算内でベストな物件探しをすることです。
しかし多くの方が無理なく支払える予算の把握をしていなかったために、後から大なり小なりご苦労されている方が多いようです。そこで国土交通省が毎年公表している、実際に住宅を購入した人向けに取ったアンケートの結果を見てみましょう。
国土交通省の令和6年度住宅市場動向調査では、住宅ローンの返済について「非常に負担感がある」「少し負担感がある」と答えた世帯の割合は次のとおりです。
- 注文住宅 66.3%
- 分譲戸建住宅 64.4%
- 分譲集合住宅 49.7%
- 既存(中古)戸建住宅 50.0%
- 既存(中古)集合住宅 42.8%
中古戸建てを買った世帯では、2人に1人が住宅ローンの影響で家計に負担が出てしまっていると回答しているということです。
ちなみに「非常に負担感がある」というのは、生活必需品を切りつめるほど苦しい状態を指します。
同じ調査では、中古戸建てを買った世帯の年間返済額は平均109.3万円、世帯年収に占める返済負担率は16.3%でした。
新築の注文住宅(144.8万円・18.4%)と比べれば軽いのですが、それでも半数が負担を感じています。
せっかく暮らしを豊かにするために住宅を購入したのに、それがきっかけで生活が苦しくなってしまっては元も子もありません。その対策として考えられるのが、「ライフプランニング」です。
ライフプランニングとは、ファイナンシャルプランナーなどが提供するサービスの一つで、住宅支出とならび人生の三大支出といわれる「教育支出」や「老後支出」を予測し、収入の予測や支出を細かく入力していきます。
この過程で収入と支出のシミュレーションができ、無理なく支払える予算が逆算的に分かります。ひと手間かかりますが、住宅購入で暮らしを豊かにし、お金の面で絶対失敗したくないのであれば、やっておくことをお勧めします。
ライフプランニングはプロのファイナンシャルプランナーに依頼して行いますが、ハウスクローバーの無料会員登録をしていただくと、無理なく支払っていける予算をご自身でシミュレーションすることができます。
将来の資産価値に気を付ける

日本では、今後人口の減少が社会問題となっています。その一方で住宅は一時期より減ったとはいえ、今でも新しく建てられています。今でも問題になっていますが、家余りが本格化していくと予想されます。
需要と供給のバランスが崩れるので、価格が下がっていくと考えられますが、すべての物件が一律に値を下げるわけではありません。不動産は今後以下のような3つに分かれていくと言われています。
- 価格が上昇、もしくは現状維持
- だらだらと価格を下げる
- 無価値、売りたくても売れない「負」動産
年々我が国の寿命は延び続け、人生100年時代という言葉も聞くようになりました。価値感も多様化し、これまで以上に住み替える機会が多くの人で増えていくと予想されます。
住み替える時に実際どの住宅を持っていれば、その後のライフプランにとって最適でしょうか?1番が理想ですが、2番も落ちる価格次第です。少なくとも3番の住宅だけは購入しないように気をつけましょう。
これからは、将来いくらの価値が残りそうか、という視点が重要なポイントになります。
本当の家の値段の考え方を知る
購入した価格は、本当の家の値段ではありません。本当の家の値段とは「購入した価格と売却した価格との差額」であるとHOUSECLOUVERでは定義しています。
つまりこの価格差が小さければ小さいほど、あなたの人生の豊かさに貢献してくれたことになります。
住宅の見た目や間取りなど、目に見えるものに意識が行きがちにないますが、将来の資産価値に目を向けることが、これからの時代に住宅を購入する上で欠かせない視点です。
広域的な立地・エリア選びに関する注意点

将来の資産価値に一番大きな影響を与えるのが「立地」です。不動産が資産価値に与える影響度合いの一番大きいのは、どのエリアに住むのかという広い意味での立地が60%、駅からの距離や周辺環境といった狭い意味での立地が30%、間取りや設備などは10%と言われています。
つまり、資産価値の9割は立地で決まるといっても過言ではないのです。特に戸建の場合は、建物に対する自由度が高い分、立地に対する資産価値の考え方は理解しやすいと思います。そして、広域的な立地・エリアは何に気を付けて選べんでいけば良いのでしょうか?
それはズバリ「将来の街力」です。これから人口が減少していくと言われていますが、すべての自治体で一律に人口が減少していくのではなく、緩やかに減少していく自治体や、大きく減少していく自治体と分かれていきます。
購入するのにあたり、どちらがいいかといえば、もちろん「緩やかに減少していく自治体」です。
大きく減少していく自治体は、将来存続すら怪しいところもあるかもしれません。
この点については、2024年4月に人口戦略会議が「令和6年・地方自治体『持続可能性』分析レポート」を公表しています。
若年女性人口が2020年から2050年までの30年間で50%以上減少する自治体を「消滅可能性自治体」と定義し、全国1,729自治体のうち744自治体(43%)がこれに該当するとされました(出典:人口戦略会議「令和6年・地方自治体『持続可能性』分析レポート」)。
反対に、自立して持続可能とされた自治体は65自治体(4%)にとどまっています。
2014年に公表された古いリストを見ている方が多いのですが、2024年の分析で内容は更新されています。
検討しているエリアの市区町村がどこに分類されているか、一度確認してみてください。
不動産の価値が無くなるのは?
あなたは「立地適正化計画」をご存知でしょうか?おそらく多くの方は知らないと思います。立地適正化計画とは「自治体ごとの都市計画のマスタープラン」のことで、国が2014年に都市再生特別措置法を改正し、市町村に計画の策定を求めています。
この立地適正化計画では、住宅を集中させる「居住誘導区域」と、商業施設や福祉・医療施設などの立地を促す「都市機能誘導区域」を設けるように促しています。
これは「コンパクトシティ」の考え方に基づくもので、人口が減り続ける中で、今後も自治体が一定のレベル以上のインフラや公共サービスを提供出来るよう、そのエリアを線引きしていくというものです。
この区域内に収まっているエリアは、今後もインフラや公共サービスが提供されていきますが、区域外になってしまったエリアについては極端な言い方をすれば、自治体の財政状況などによっては、インフラや公共サービスを提供しないと言っているようなものです。
生活に必要なインフラや公共サービスが提供されなくなるということは、需要が無くなるということを意味します。また飲食店や店舗などは商売が成り立たないため撤退をしていくという負のスパイラルに陥ります。
ですから、広域的な立地・エリアで一番気を付けるのは、「自治体の街力」であり、「居住誘導区域内」のエリアを探すということが非常に大切なこととなります。
ちなみに立地適正化計画は、2017年12月末時点で384都市がすでに具体的に取り組んでいて、116都市がすでに計画を作成・公表しています。内容は各自治体のHPで閲覧できます。エリアを探すときは、この立地適正化計画について必ず確認しておくようにしましょう。
狭域的な立地・エリア選びに関する注意点
次に気を付けるべき立地・エリアの注意点は、先ほどのエリアとはもう少し狭い意味での立地になります。ここでいう狭い意味での立地とは、駅からの距離であったり、周辺にどんな施設があるのかといったようなことになります。
狭い意味での立地を考えるうえで重要になるのは、「利便性」です。利便性が優れている立地にある不動産は売ることも出来ますし、貸すことも出来ます。様々な面において競争力があります。そういった物件は資産価値・流動性が高く、あなたのライフプランにとっても非常に良い影響をもらたらしてくれます。
「利便性」が良い立地のポイントは、駅からの距離となります。その他、周辺の商業施設の充実度や、人気の学区があるエリアなども求心力があります。価格が安いからといって不便な立地にある物件を選ばないようにしましょう。
中古戸建て選びに関する注意点

これまでお金や資産価値に対する注意点を説明してきましたが、ここからは実際に中古戸建てを探すときに気を付けたい注意点について説明していきます。
地盤や災害リスクを把握する
マンションと違い、一戸建ては地盤の影響が大きくなります。地盤が緩いエリアでは、地震そのものが揺れが大きくなったり、地震の際に液状化のリスクがあります。また水害や土砂災害といった自然災害のリスクのある土地もあります。
住宅購入は、最大の防災対策でもあるので、なるべく災害リスクの小さい立地を選ぶように気を付けましょう。災害リスクの発生確率などについては、自治体のホームページなどに公開されている「ハザードマップ」を利用するようにしましょう。
建築年による耐震基準を把握する
建築基準法改正により、1981年6月に耐震基準が改正されました。この時を境に1981年6月以降に建築確認が申請されたものを「新耐震基準」と呼び、それ以前のものを「旧耐震基準」と呼び区別されていることが多いです。
しかし、マンションなどのRC造についてはその捉え方で大丈夫ですが、木造住宅については2000年6月にもう一度、建築基準法が改正されています。これは1995年に発生した淡路阪神大震災の時に1981年6月以降の建築物が倒壊してしまったことによるものです。
ですから、現行の耐震基準を満たしている建物は2000年6月以降のものです。1981年6月~2000年5月までに建築確認が申請された建物は、実際に耐震診断をすると現行の耐震基準を満たさないと判定されることも多くあります。
この建築基準法の改正をポイントに物件を探すようにしてみてください。もし、2000年6月以前に建築申請がされた建物を検討する際は、合わせて耐震診断・耐震改修工事も合わせて検討するようにしましょう。
耐震診断や耐震改修工事は自治体によって内容は違うものの、補助金や助成金制度が用意されていることもありますので、自治体やリフォーム業者に問い合わせてみましょう。
インスペクションを活用する
一戸建てはマンションと違い、強制的に修繕積立金を徴収し修繕をしていく制度はありません。計画的な修繕を行っていくかどうかは所有者の判断にゆだねられます。
つまり、物件によってきちんとメンテナンスがされている物件とされていない物件が混在しており、玉石混交の市場です。
明らかな不具合は、中古戸建ての取り扱いに慣れている不動産エージェントであれば、発見することは出来ますが、床下や屋根裏などは通常見ることはありません。
そこでインスペクション(建物状況調査)と呼ばれる制度の活用を検討しましょう。インスペクションとは、建築士の資格を持っていて国土交通省の研修を受けたインスペクターという資格者が行う調査のことで、通常目に見えない部分の調査をしてくれます。
費用や時間はかかりますが、欠陥住宅を購入してしまったり、後から余分に予期せぬ費用が発生してしまうよりは、よほど良いのではないかと思います。
住宅ローン控除などの適用条件に気を付ける
住宅ローン控除をはじめとする減税には、適用条件があり注意が必要になります。
かつては「木造や軽量鉄骨造は建築後20年以内、鉄骨造やRC造は建築後25年以内」という築年数の要件がありました。
この築年数要件は2022年の改正で廃止されています。
現在は「建築後使用されたことのある家屋で、耐震基準に適合するものとして証明等がされたもの」が対象とされ、昭和57年1月1日以後に建築された家屋であればこれに該当します(出典:国税庁「No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合」)。
築25年、築35年の中古戸建てでも、昭和57年1月1日以降の建築であれば住宅ローン控除の対象になるということです。
いまだに「築20年を超えているので使えません」と説明する担当者がいますので、注意してください。
またこの昭和57年1月1日という線引きは、住宅ローン控除だけでなく、登録免許税の減税や、住宅購入時の贈与税非課税枠でも同じ基準として使われますので、親御さんなどから贈与を受けて購入する場合は特に注意が必要になります。
昭和56年12月31日以前に建築された家屋の場合でも、「かし保険」もしくは「耐震基準適合証明書」を取得すれば適用を受けられます。取得には条件などがあるので不動産エージェントに確認しながら進めていくようにしましょう。
原則、引渡し前に取得もしくは手続きをしておく必要があり、知らずに購入した後で気がついてもどうすることも出来ません。中古戸建てを購入する際は必ず経験や知識の豊富な不動産エージェントを選ぶようにしてください。
不動産エージェントをしっかり選ぶ
ここまで中古戸建てを購入する時の注意点について説明してきましたが、すべて自分でやることは難易度も高く手間もかかります。
そこで中古戸建てを購入する時の一番のポイントは、中古戸建ての扱いに慣れた不動産エージェントをしっかり選ぶことです。中古戸建ては数ある物件種別の中でも難易度が高く、担当するエージェントによって結果が全く変わってしまうこともあります。
これまで説明してきた注意点を共有し、一緒に家探しが出来るパートナーをぜひ見付けてください。
よくある質問
中古一戸建てを買うときに、一番気をつけることは何ですか?
立地です。
建物は手を入れれば変えられますが、立地は買ったあとに変えられません。
広域では自治体の将来性、狭域では居住誘導区域や災害リスクを確認してください。
築25年の中古戸建てでも住宅ローン控除は使えますか?
使えます。
以前あった「木造は築20年以内」という要件は廃止されており、昭和57年1月1日以後に建築された家屋であれば対象になります。
昭和56年12月31日以前の建築でも、耐震基準適合証明書などを取得すれば対象になります。
耐震基準適合証明書はいつ取ればいいですか?
原則として引き渡し前です。
購入後に気づいても、取り扱いを変えることはできません。
取得には条件がありますので、申し込みの段階で仲介業者に確認してください。
建物状況調査(インスペクション)は必要ですか?
中古戸建ては、見えない部分の状態が価格に反映されていないことが多くあります。
費用はかかりますが、購入後の想定外の出費を考えれば安いものです。
調査結果は値引き交渉の根拠にもなります。
消滅可能性自治体かどうかは、どこで確認できますか?
2024年4月に人口戦略会議が公表した「令和6年・地方自治体『持続可能性』分析レポート」で確認できます。
2014年の古いリストが今も出回っていますので、最新の分析を見てください。
中古戸建てと中古マンション、どちらが難しいですか?
中古戸建てのほうが確認する項目は多くなります。
境界、再建築の可否、地盤、建物の構造など、マンションでは管理組合が担っている部分を自分で見ることになるためです。
その分、扱いに慣れた担当者かどうかで結果が大きく変わります。
まとめ
中古戸建てを購入する時の注意点は大きく分類すると、以下のポイントになります。
- 購入する目的や条件などを決めておく
- 無理なく支払える予算の設定をする
- 将来の資産価値を考える
- 購入する物件に気を付ける
- 不動産エージェントを選ぶ
これらのポイントをしっかり押さえておくことで、あなたの住宅購入はきっと上手く行くはずです。ぜひあなたの中古戸建て探しのご参考にしてください。
住宅購入で絶対に失敗したくない方へ
「こんなサービスが欲しかった!」の声が続々!住宅購入で失敗しないためのサービスがひとつに。
- 無理なく支払っていける予算が分かる
- 全国の優良な担当者(不動産エージェント)が探せる
- 物件検索を自動化させて、希望の物件を見逃さない

宅地建物取引士、2級FP技能士、ホームステージャー2級
ハウスクローバー株式会社、スタイルイノベーション株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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