中古住宅に限らず住宅を購入しようと思ったらどういった助成金や減税があるかは気になるところです。ここでは、どんな制度があってどれが自分に関わってくるのか、中古住宅購入時に利用できる補助金と減税の一覧にしてご説明します。これから住宅を購入しようとしている方にとってお役に立てていただけると思います。
ちなみにここで説明する制度は、自ら所有し、居住する住宅であることが大前提です。投資用や事業用については対象にならないのでご注意ください。
使える制度は物件と時期で変わります。ハウスクローバーの無料会員登録をすると、あなたの条件に合う担当者に直接聞けます。
この記事でわかること
- 中古住宅の購入で使える制度が、2026年8月時点でどうなっているかが分かる
- すでに終わった制度と、いま使える制度の区別がつく
- 住宅ローン減税の築年数要件が廃止されたことが分かる
- 中古住宅の優遇策に共通する「昭和57年1月1日」という線引きが分かる
- 贈与の非課税枠の現行の金額と期間が分かる
補助金と助成金、減税の違い
制度の名前を説明する前に、基本的な補助金と助成金、減税の違いをまとめておきます。
| 補助金 |
| 一定の基準に合格することが必要で、金額の上限もあります。リフォーム系の制度に多いですが、予算○△億円とあってそれを満たしたら終了となります。 |
| 助成金 |
| 決められた要件さえ満たせば誰でもらえるお金です。お金の上限はなく、いついつまでという期限が決められているのが一般的です。 |
| 減税 |
| 何もないところからお金がもらえる補助金・助成金と違い、本来支払うべき税金を控除したり、還付を受けたりする制度です。 |
中古住宅購入時に利用できる補助金・助成金・減税の一覧
それでは中古住宅購入時に利用できる制度を説明していきます。
すまい給付金は終了しています
かつては「すまい給付金」という制度がありました。
消費税増税に伴い創設された制度で、住宅ローン減税の恩恵を十分に受けられない一定の年収以下の方を対象に、最大50万円が給付されるものでした。
この制度は、令和3年12月31日までに引き渡しを受けて入居した方までが対象で、すでに終了しています。
古い記事やパンフレットにはいまも載っていることがありますので、注意してください。
同じように「次世代住宅ポイント制度」も終了しています。
いま使える補助金については、この記事の後半でお伝えします。
住宅ローン減税(控除)
その名が示す通り、支払った所得税と住民税から住宅ローンの残債額に応じて税金が戻ってくる制度です。
中古住宅を買う方にとって、金額の面で最も大きいのがこの制度です。
ここは2022年に大きく改正されており、古い情報が出回っているところなので、現行の内容を整理します。
控除率と控除期間、控除の上限
国税庁の説明では、中古住宅(建築後使用されたことのある家屋)を取得して令和4年以降に居住した場合、次のようになっています(出典:国税庁「No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合」)。
- 控除期間 10年
- 控除率 年末残高等×0.7%
- 控除額の上限 認定住宅等は年21万円、その他の住宅は年14万円
かつての「控除率1%・最大400万円」という数字を覚えている方が多いのですが、控除率は0.7%に変わっています。
さらに2026年に入居する分からは、省エネ性能の高い既存住宅について借入限度額を引き上げ、控除期間を13年間に拡充することとされています(出典:国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!」)。
適用期限は、令和8年1月1日から令和12年12月31日までに入居した場合とされています。
中古住宅の築年数要件は廃止されました
ここが最も大きな改正点です。
以前は「木造は築20年以内、マンション等は築25年以内」という築年数の要件があり、これを超える物件は耐震基準適合証明書などを取らなければ対象になりませんでした。
この築年数要件は廃止されています。
現在は、国税庁の説明で「建築後使用されたことのある家屋で、耐震基準に適合するものとして証明等がされたもの」とされ、昭和57年1月1日以後に建築された家屋であればこれに該当します。
昭和56年12月31日以前に建築された家屋の場合は、耐震基準を満たす既存住宅であること、または要耐震改修住宅に該当することが必要です。
つまり昭和57年1月1日以降に建てられたマンションや戸建てであれば、築年数が何年であっても住宅ローン減税の対象になり得るということです。
築30年、築40年の物件を検討している方にとっては、大きな違いになります。
いまだに「築25年を超えているから使えない」と説明する担当者がいますので、注意してください。
床面積の要件
床面積は50㎡以上で、かつ床面積の2分の1以上を自分の居住用にしていることが要件です。
なお2026年入居分からは、床面積要件を40㎡以上に緩和する措置が既存住宅にも適用されます。
コンパクトなマンションを検討している方は、この点を確認してください。
また面積は登記簿上の面積で判断します。
広告に出ている面積は壁の中心線から測っているため、登記簿上の面積より広くなります。
広告で50㎡前半の物件は、登記簿で50㎡を切ることがありますので必ず確認してください。
借入と所得の要件
- 住宅ローンの償還期間が10年以上にわたり分割して返済する方法になっていること
- 合計所得金額が2,000万円以下であること
なお税金が戻ってくる制度なので、所得税や住民税の支払額以上には戻ってきません。
扶養家族が多い方や、所得を低く抑えてある自営業の方は、一般的に控除可能額よりも少なくなることがあります。
中古住宅における適用条件については、以下の関連記事も参照ください。
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住宅ローン減税を中古戸建で受けるためのポイント
中古戸建てで住宅ローン減税を受けるためのポイントを業界17年の現役エージェントが解説します。築20年以内という要件は2022年の改正で廃止され、現在は昭和57年1月1日以後の建築が対象です。控除率0. ...
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リフォームローンでも住宅ローン減税が使える?
中古住宅の購入に伴ってリフォームをすることをありますが、リフォーム費用を住宅ローンに組み込んだ場合、一定の条件を満たすリフォーム工事であれば住宅ローン減税の対象になります。
ただし住宅購入と同時に行うリフォームについては、購入物件が住宅ローン控除の適用を受けられる物件であることが条件になります。
増改築・リフォームの場合の要件
①以下の工事のいずれかに該当すること
- 増改築など建築基準法で規定している大規模の修繕または大規模の模様替えの工事
- マンション等の区分所有について行う、床や階段、または壁の過半について行うの修繕又は模様替えの工事
- 家屋の居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
- 耐震改修工事
- バリアフリー工事
- 省エネ工事
②補助金の額を除いたリフォーム費用が100万円をこえるものであること
③店舗付住宅などの場合は、居住部分のリフォーム費用が全体の1/2
建築年の要件以外は、住宅ローン控除の住宅要件と借入要件と変わりはありません。
いま使える補助金はどれか
補助金は数年ごとに名前も内容も変わります。
2026年8月時点の状況を整理します。
子育てグリーン住宅支援事業は受付を終了
2025年度に実施されていた「子育てグリーン住宅支援事業」は、2026年2月16日をもって交付申請の受付を終了しています。
新築だけでなく、既存住宅の省エネ改修も対象に含まれていた事業です。
現在は「みらいエコ住宅2026事業」
その後継として実施されているのが「みらいエコ住宅2026事業」です。
国土交通省の説明では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて住宅の省エネ化の支援を強化するもので、対象は「GX志向型住宅の新築」「子育て世帯等を対象とする長期優良住宅・ZEH水準住宅の新築」「住宅の省エネリフォーム等」とされています(出典:国土交通省「みらいエコ住宅2026事業について」)。
中古住宅を買う方にとって関係してくるのは、3つ目の「住宅の省エネリフォーム等」です。
中古住宅を買って断熱改修などを行う場合、この枠が使えるかどうかを確認してください。
公式サイトによると、第2期の申請期間はGX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅ともに2026年5月13日から12月31日までで、予算額を上限としています(出典:みらいエコ住宅2026事業 公式サイト)。
補助金は予算に達した時点で受付が終わります。
期限まで残っているから大丈夫、とは考えないでください。
自治体の補助金も必ず調べる
国の制度とは別に、市区町村が独自の補助金を出していることがあります。
移住や子育て、空き家の活用を条件にしたものが多く、金額も自治体によってかなり違います。
お住まいの、あるいは購入予定の市区町村のウェブサイトで「住宅 補助金」と検索してみてください。
国の制度と併用できる場合と、できない場合があります。
登録免許税の軽減税率
登録免許税については司法書士が行う登記手続きの時にかかってくる費用なので、あまり実感として湧きにくいですが、物件によって軽減税率が適用されます。
適用される軽減税率は以下のようになります。
| 登記種別 | 本則税率 | 住宅の特例税率 |
| 所有権保存登記 | 0.4% | 0.15% |
| 所有権移転登記 | 2.0% | 0.3% |
| 抵当権設定登記 | 0.4% | 0.1% |
違いが分かりやすいように例をあげます。
モデルケース
- 固定資産税評価額合計:1000万円
- 借入金額:2000万円
登録免許税の軽減税率を適用できる場合、
- 所有権移転登記 登録免許税:1,000万円×0.3%=30,000円
- 抵当権設定登記 登録免許税:2,000万円×0.1%=20,000円
登録免許税の軽減税率を適用できない場合、
- 所有権移転登記 登録免許税:1,000万円×2%=200,000円
- 抵当権設定登記 登録免許税:2,000万円×0.4%=80,000円
両者を比べると、登録免許税だけでも、230,000円も違ってきます。諸費用に大きな違いが出てくることがイメージしていただけるのではないでしょうか。
登録免許税の軽減を受けるための要件
①昭和57年1月1日以後に建築された家屋であること
これに該当しない場合も、現行の耐震基準を満たす証明があれば軽減税率を受けられます。
②床面積が50㎡以上であること
③市町村が発行する住宅家屋証明書を取得していること
この住宅家屋証明書については、司法書士が代行して取得するケースがほとんどです。
不動産取得税の軽減
不動産取得税とは、不動産の引渡しを受けてから約3~6か月後に請求がくる税金のことです。法務局で受け付けた書類がそのまま県税の該当部署にいくので特に手続きは必要ありません。結構忘れた頃にやってくる税金なので注意が必要です。
不動産取得税は固定資産税の計算の元になる課税標準額(固定資産税評価額)を基準に計算します。中古住宅における不動産取得税の軽減は以下のようになります。
| 種別 | 新築年月日 | 課税標準から控除される額 (軽減税額相当) |
| 中古住宅 | 昭和29年7月1日~昭和38年12月31日 | 100万円(30,000円) |
| 昭和39年1月1日~昭和47年12月31日 | 150万円(45,000円) | |
| 昭和48年1月1日~昭和50年12月31日 | 230万円(69,000円) | |
| 昭和51年1月1日~昭和56年6月30日 | 350万円(105,000円) | |
| 昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 | 420万円(126,000円) | |
| 昭和60年7月1日~平成元年3月31日 | 450万円(135,000円) | |
| 平成元年4月1日~平成9年3月31日 | 1,000万円(300,000円) | |
| 平成9年4月1日以降 | 1,200万円(360,000円) | |
| 土地 | 特例の期間内に取得した場合 | 取得した土地の価格×1/2を課税標準額とする |
物件の築年数が古くなればなるほど、税額が高くなります。比較的築年数の新しい物件では非課税となることが大半です。
不動産取得税の軽減を受けるための要件
①取得した住宅の延べ床面積が50㎡以上240㎡以下であること
②昭和57年1月1日以降に新築されたもの、またはこれに該当しないときは現行の耐震基準に適合していることが証明されたもの
住宅取得時の贈与の非課税枠
父母や祖父母などの直系尊属から、自分が住む住宅の取得(新築・リフォーム含む)に充てる資金の贈与を受けた場合、一定の要件を満たせば限度額までは非課税ですみます。
ここも金額と期間が変わっていますので、現行の内容を整理します。
適用できる期間と非課税限度額
国税庁の説明では、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間の贈与について、非課税限度額は次のとおりです(出典:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」)。
- 省エネ等住宅 1,000万円
- その他の住宅 500万円
受け取る人の要件
- 贈与を受けた年の1月1日において18歳以上であること
- 合計所得金額が2,000万円以下であること(床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)
かつては20歳以上とされていましたが、18歳以上に変わっています。
家屋の要件
- 登記簿上の床面積が40㎡以上240㎡以下であること
- 床面積の2分の1以上を受贈者の居住の用に供すること
- 中古住宅の場合は、昭和57年1月1日以後に建築されたもの、または耐震基準に適合するもの、もしくは耐震改修により基準に適合することとなったもの
ここでも昭和57年1月1日という線引きが出てきます。
住宅ローン減税、登録免許税、不動産取得税、そして贈与の非課税。
中古住宅に関わる制度は、いずれもこの日付を境にして扱いが変わります。
まとめ:中古住宅の購入時における優遇策は似たような条件が多い
いかがでしたでしょうか。見ていてお気づきの方もいるかもしれませんが、中古住宅購入時に利用できる補助金・助成金・減税には似たような条件が多いです。
気を付けておきたいのは、昭和57年1月1日以後に建築された家屋かどうか、もしくは現行の耐震基準に適合する証明が取れるかどうかの2点です。この2点さえ気を付けておけば中古住宅の購入に関わる優遇策を利用することが出来ます。
ただし読んでいてお分かりになると思いますが、年々税制の仕組みなどが特に中古住宅を中心に複雑化してきています。
物件の見極めや証明書の取りつけの可否など、中古住宅の取り扱いに慣れたプロでないと難しい部分もあります。さらにリフォームやリノベーションを住宅取得と合わせて行いたい時は、より多くの制度が関わってくるので、業者選びが肝になります。
是非ご自身でもポイントを抑えながら、適切な不動産仲介業者を選ぶようにしましょう。
不動産仲介業者の選び方については、関連記事「不動産会社はどこがいいか?選び方と注意点を教えます!」も合わせて参照ください。
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よくある質問
中古住宅の購入でもらえるお金はありますか?
現金が直接給付される制度としては、かつて「すまい給付金」がありましたが終了しています。
いま中心になるのは、税金が戻ってくる住宅ローン減税と、省エネリフォームなどに対する補助金です。
自治体が独自に補助金を出している場合もありますので、購入予定の市区町村を必ず確認してください。
築30年のマンションでも住宅ローン減税は使えますか?
使えます。
以前あった「マンションは築25年以内」という要件は廃止されました。
昭和57年1月1日以後に建築された家屋であれば対象になります。
昭和56年12月31日以前の建築でも、耐震基準を満たす証明があれば対象になります。
住宅ローン減税はいくら戻ってきますか?
中古住宅の場合、控除期間は10年、控除率は年末残高等の0.7%です。
控除額の上限は、認定住宅等で年21万円、その他の住宅で年14万円とされています。
なお所得税と住民税の支払額以上には戻ってきません。
すまい給付金はもう使えないのですか?
使えません。
令和3年12月31日までに引き渡しを受けて入居した方までが対象で、すでに終了しています。
古い記事に残っていることが多い制度ですので、注意してください。
親から資金援助を受けるといくらまで非課税ですか?
令和6年1月1日から令和8年12月31日までの贈与について、省エネ等住宅は1,000万円、その他の住宅は500万円までが非課税です。
受け取る側は18歳以上で、合計所得金額が2,000万円以下であることが要件になります。
補助金はいつまで申請できますか?
制度ごとに期限がありますが、それ以前に予算に達した時点で受付が終わります。
期限まで日数が残っていても申請できないことがありますので、使う予定があるなら早めに動いてください。
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ハウスクローバー株式会社、スタイルイノベーション株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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