この記事でわかること
- 中古マンションの価格が築何年で下げ止まるかが分かる
- 築年数別に気を付けるべき点が分かる
- 安くなるのを待つべきかどうかの計算方法が分かる
- 築年数と税制優遇の現在の要件が分かる
- 築年数より優先して見るべきものが分かる
名古屋で中古マンションを探していて、築何年くらいの物件を選べばいいのかで迷っていないでしょうか。
新しいほど安心ですが、その分価格は上がります。
古いほど安く買えますが、修繕や設備の不安が出てきます。
私は不動産業界で17年、住宅購入のご相談を受けてきました。
この記事では、中古マンションの価格が築年数でどう動くのか、そして築年数別に何を確認すべきかを書きます。
中古マンションの価格は築20年前後で下げ止まる
中古マンションの価格は、築年数が上がるほど下がっていきます。
ただし下がり方は一定ではありません。
一般に、築5年を過ぎたころから下がり始め、築20年を過ぎたあたりから価格の下落がゆるやかになります。
つまり築20年以降は底値に近づいているということになります。
愛知県で実際に成約している中古マンションの築年数は、平均26.61年です(出典:公益社団法人中部圏不動産流通機構「月例速報マーケットウォッチ 2026年7月度」)。
売れている物件の平均が築26年ということは、この年数帯に市場の中心があるということです。
なぜ築20年で下げ止まるのか
理由は2つあります。
一つは、建物の価値の減り方です。
建物部分の価値は年数とともに減っていきますが、土地の持分の価値は減りません。
築年数が進むほど、価格に占める土地の割合が大きくなるため、下落幅が小さくなります。
もう一つは、需要の下限です。
立地がよければ、築年数が古くても住みたい人は必ずいます。
その需要がある限り、価格はある水準以下には下がりません。
ただし「築20年まで待つ」は成り立たない
築18年の物件があと2年で底値になる、だから待とう。
この考え方には落とし穴があります。
待っている間に相場そのものが上がってしまえば、築年数が2年進んでも価格は下がりません。
実際、愛知県の中古マンションの成約㎡単価は2026年7月時点で前年同月比プラス4.4%です。
築年数による下落より、相場の上昇のほうが大きいという状態が続いています。
そして金利も上がっています。
日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、2026年6月には政策金利を1.0%程度としています。
待つことで得られる値下がりより、失うもののほうが大きくなりやすい局面です。
待つべきか、待たざるべきかの計算
判断の方法は単純です。
いま賃貸にお住まいなら、待っている間の家賃を計算してください。
月10万円なら、2年待つと240万円です。
2年待って240万円以上安く買えるのかを考えてください。
さらに、その間に金利が上がれば総支払額は増えます。
金利が0.5%上がるだけで、3,000万円を35年借りた場合の総支払額は約290万円増えます。
家賃240万円と金利290万円を足した530万円分だけ安く買えるのであれば、待つ意味があります。
そうでなければ、待つ意味はありません。
築年数別に確認すべきこと
築年数は「安いかどうか」ではなく、何を確認すべきかの目安として使ってください。
築10年未満
設備はまだ新しく、大きな修繕もこれからです。
価格は高めですが、当面の出費は少なくて済みます。
確認すべきは修繕積立金の設定額です。
新しいマンションは積立金を低く設定していることが多く、数年ごとに大幅な値上げが予定されています。
長期修繕計画で、将来いくらまで上がるのかを必ず確認してください。
築10年〜20年
1回目の大規模修繕が行われる時期です。
大規模修繕は12年から15年周期で実施されるのが一般的です。
1回目の大規模修繕が済んでいるかどうかで、購入後の負担が変わります。
済んでいなければ、購入後すぐに一時金を求められる可能性があります。
築20年〜30年
価格が下げ止まり、市場の中心になる年数帯です。
給排水管の更新が検討され始める時期でもあります。
専有部分の配管まで交換されているかを確認してください。
共用部分だけ交換して専有部分が古いままだと、後から自己負担で工事することになります。
築30年超
価格は安くなりますが、確認すべきことが増えます。
昭和56年(1981年)以前に建築確認を受けた物件は旧耐震基準です。
建築期間を考えると、1982年は新旧が半々、1983年以降はおおむね新耐震基準になります。
旧耐震の物件は住宅ローンが借りにくく、売るときの買い手も限られます。
また修繕積立金が不足していることが多く、値上げや一時金の可能性が高くなります。
築年数と税制優遇の関係
かつては住宅ローン控除などの優遇を受けるために「コンクリート造は築25年以内」という築年数の要件がありました。
この築年数の要件は2022年の税制改正で廃止されています。
現在の要件は昭和57年1月1日以後に建築されたもの、つまり新耐震基準で建てられていることです。
それより古い物件でも、耐震基準適合証明書などで新耐震基準に適合していることを証明できれば対象になります。
古いサイトの情報を見て築年数で絞り込んでしまうと、選べる物件を必要以上に狭めることになります。
築年数より優先して見るべきもの
ここまで築年数の話をしてきましたが、最後に申し上げておきたいことがあります。
同じ築年数でも、マンションによって将来の価値はまったく違います。
違いを生むのは管理です。
私は年間1000棟以上のマンションの管理組合を調査していますが、実感覚として3割くらいは「買わない方がいい」と判断しています。
その判断は築年数で決めているのではありません。
修繕積立金の残高、滞納の状況、借入の有無、長期修繕計画の中身を見て決めています。
築15年でも危ないマンションはありますし、築35年でも健全なマンションはあります。
築年数は入口の絞り込みに使い、最後は管理の状態で決めてください。
エリアごとの相場を確認する
名古屋市は区によって価格の水準がかなり違います。
最新の地価と中古マンションの価格の傾向は、別記事にまとめています。
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買う時期を決めるときに見るもの
築年数の話をしてきましたが、購入時期を決める材料は他にもあります。
物件が多く出る時期
中古マンションは、4月からの新生活に伴い、1月から3月がよく売れる時期と言われています。
供給が多くなるため、希望に合う物件が見つかりやすいのは1月から3月です。
ただしその分、買う人も多くなります。
タイミングが遅いと希望の物件を先に買われてしまいますので、この時期に検討する場合は、内覧と購入申し込みを早めに進める必要があります。
金利の水準
金利によって総返済額は大きく変わります。
3,000万円を35年で借りた場合、金利1.5%なら総返済額は約3,858万円、金利2.5%なら約4,505万円です。
1%の差で約650万円変わります。
2026年8月時点では、変動金利が0.9%台、35年固定が3.6%台です。
金利差が2.7%近くありますので、どちらを選ぶかで総返済額は2,000万円以上変わります。
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自分の資金計画
中古マンションには、物件価格のほかに仲介手数料、ローンの事務手数料、登記費用などの諸費用がかかります。
入居後も管理費と修繕積立金が毎月、固定資産税が毎年かかります。
これらを含めて払い続けられるかどうかが、いちばん大事な判断材料です。
なお住宅ローンで借りられる金額は年収の5倍から7倍程度と言われますが、これは銀行が貸してくれる上限であって、無理なく払える金額ではありません。
金利が1%上がっても払い続けられる金額に抑えてください。
結局、買い時は人によって違う
マンションの価値や価格、金利の推移は、自分では動かせない要素です。
一方で、いつ買いたいのか、いつなら買えるのかは自分で決められます。
動かせないものを待つより、動かせるものを整えるほうが確実です。
名古屋市内で中古マンションの購入を検討されている方は、まず予算と担当者を決めることから始めてください。
家探しを始める前に、担当者を選んでおく
同じ物件でも、どの担当者と進めるかで結果は変わります。ハウスクローバーは、全国の不動産エージェントを自分で見て、自分で選んで問い合わせできるサイトです。
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ハウスクローバーの登録・利用は無料です。成約したときに通常の仲介手数料がかかります。
よくある質問
中古マンションは築何年が狙い目ですか?
価格が下げ止まるのは築20年前後です。
愛知県で実際に成約している物件の平均築年数は26.61年です。
ただし築年数だけで決めず、管理の状態を必ず確認してください。
築20年になるまで待ったほうが安く買えますか?
現在のように相場が上がっている局面では、待っても安くなりません。
待っている間の家賃と金利上昇分を足した金額より安くなるかで判断してください。
築古の物件でも住宅ローン控除は使えますか?
使えます。
「築25年以内」という要件は2022年の税制改正で廃止され、現在は昭和57年1月1日以後に建築されたものが対象です。
旧耐震のマンションは避けたほうがいいですか?
住宅ローンが借りにくく、売るときの買い手も限られます。
そのぶん安く買えますが、出口が狭いことは理解しておいてください。
築年数が新しければ修繕の心配はいらないですか?
そうとは限りません。
新しいマンションは修繕積立金を低く設定していることが多く、将来大幅に値上げされる計画になっていることがあります。
築年数以外で必ず確認すべきことは何ですか?
管理組合の財政です。
修繕積立金の残高、滞納、借入の有無、長期修繕計画の中身を確認してください。
これらは重要事項調査報告書に書かれています。
そのマンション、管理は大丈夫ですか
管理組合の財政は、重要事項調査報告書や総会議事録にしか書かれていません。物件情報サイトを見ても出てきません。
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宅地建物取引士、2級FP技能士、ホームステージャー2級
ハウスクローバー株式会社、スタイルイノベーション株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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