この記事でわかること
- 名古屋の中古マンションを買うときの進め方が順番で分かる
- いい物件に出遅れないための準備が分かる
- 価格交渉をしていい場面と、しないほうがいい場面が分かる
- 2021年に立てた相場予測のうち、何が当たって何が外れたかが分かる
- 買う前に確認しておくべきことが分かる
名古屋で中古マンションを探していて、いい物件が出てもすぐ決められずに逃してしまった、という経験はないでしょうか。
中古マンションは同じものが二つとありません。
迷っている間に、他の人が買っていきます。
私は不動産業界で17年、住宅購入のご相談を受けてきました。
この記事では、名古屋で中古マンションを買うときに何を、どの順番で準備しておくかを書きます。
相場を読む話ではありません。
相場が上がろうが下がろうが、準備ができていない人は買えないからです。
まず、相場は読めないという前提に立つ
進め方の話に入る前に、一つだけお伝えしておきたいことがあります。
この記事はもともと2021年12月に「2022年の名古屋の中古マンション相場を予想する」という内容で書いたものです。
そのときに書いた予測が、その後どうなったかを正直に振り返ります。
当たったこと
当時、相場を下げる要因としてスタグフレーションによる金利上昇を挙げていました。
景気が悪いのに物価が上がる状況になれば、日銀は金利を上げざるを得ない、という内容です。
これは当たりました。
日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、2026年6月16日には無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度とする方針を決定しています(出典:日本銀行「金融市場調節方針に関する公表文」)。
当時この見立てを動画で話したところ、あるFP系のYouTuberの方からクレームが入りました。
結果としては、こちらの見立てのほうが近い形になりました。
外れたこと
一方で外れたこともあります。
金利が上がれば相場の下げ圧力が高まる、と書いていました。
金利は上がりましたが、相場は下がっていません。
愛知県の中古マンションの成約㎡単価は、2026年7月時点で前年同月比プラス4.4%です(出典:公益社団法人中部圏不動産流通機構「月例速報マーケットウォッチ 2026年7月度」)。
要因を正しく読めても、結果は読めないということです。
私は17年この仕事をしていますが、相場を当てられたことはありません。
だからこそ、この記事では相場の予測ではなく、相場がどちらに動いても損をしない進め方をお伝えします。
相場そのものを知りたい方は、別記事にまとめています。
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名古屋の中古マンションの相場と価格推移を、中部レインズの成約データ(2026年7月時点・愛知県)で解説します。㎡単価33.23万円、平均2,459万円という最新値と直近1年の推移、そして相場の数字を見 ...
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中古マンションの価格が下がりにくい理由
相場は読めないと申し上げましたが、値動きの仕組み自体は理解しておいて損はありません。
いま名古屋の中古マンションの価格を支えている構造は、次のようになっています。
新築マンションが値下がりしない
中古マンションの価格は、ある程度、新築マンションと連動します。
新築マンションが高くなれば、人が中古マンションに流れて相場が上がるからです。
逆もまた同じです。
現在の新築マンションは土地相場の高騰、材料費の高騰、建築人件費の高騰によって、過去を見ても最高額に近い水準です。
かつての新築マンションは完成と同時に完売というスタイルが一般的でした。
そのため完売させるためなら多少割り引いても販売をしていましたが、近年は時間がかかっても値段を下げずに販売するというスタイルが定着しています。
デベロッパーも財務体力のある業者がほとんどです。
つまり新築マンションが下がらなければ、中古マンションが下がる理由がないということになります。
金融機関が傷んでいない
過去のバブル崩壊やリーマンショックの時は、不景気とともに金融機関も大きな影響を受けました。
金融機関の財務状況が悪くなれば、不動産に対する融資は絞られますから、不動産市況も冷え込んでいきます。
現在はその状況にはありません。
融資が絞られない限り、買える人の数は減りません。
売りに出る物件が増えていない
中古マンションは、誰かが手放さないかぎり市場に出てきません。
転勤や転職といった人の移動が減れば、売りに出される物件も減ります。
在庫が少ないまま需要があれば、価格は下がりにくくなります。
この状態が続く限り、いい物件は出た瞬間に決まります。
だからこそ、次にお伝えする準備が要ります。
名古屋はエリアで動きが違う
名古屋市といっても、区によって値動きはかなり違います。
一般に、地下鉄の便がよく学区の評価が高いエリアは価格を保ちやすく、駅から離れたエリアは下がりやすい傾向があります。
市全体の平均が上がっていても、自分が買うエリアが上がっているとは限りません。
平均の数字を見て安心したり不安になったりせず、検討しているエリアの成約事例を担当者に出してもらってください。
エリア別の傾向は別記事にまとめています。
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名古屋の中古マンション購入で人気のエリアと地価の傾向
名古屋市16区の最新の地価公示データをもとに、中古マンションの人気エリアと価格の傾向を業界17年の現役エージェントが解説します。2026年は住宅地が全区で上昇し、上昇率トップは熱田区の6.6%でした。
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これから相場を下げる可能性がある3つの要因
下がる要素が少ないとお伝えしましたが、下がる可能性がまったくないわけではありません。
買う前に、何が起きたら状況が変わるのかは知っておいてください。
要因1 金利のさらなる上昇
政策金利は2026年6月に1.0%程度まで引き上げられました。
ここからさらに上がれば、借りられる金額が減ります。
借りられる金額が減るということは、買える人が減るということです。
たとえば毎月11万円を35年払える人の場合、金利0.9%なら約4,000万円借りられますが、金利が2%になると約3,300万円まで下がります。
同じ収入でも、700万円分だけ買える物件が下がるということです。
これが市場全体で起きれば、価格の下押し要因になります。
ただしこれまでのところ、金利が上がっても相場は下がっていません。
要因2 景気の後退
金融機関が傷まない限り融資は絞られない、とお伝えしました。
逆に言えば、金融機関が傷むような事態が起きれば話は変わります。
過去のバブル崩壊やリーマンショックがこれにあたります。
このときは不動産価格も大きく下がりました。
ただしこうした事態は事前に予測できるものではありません。
要因3 売り物件の急増
在庫が少ないことが価格を支えていると書きました。
つまり売り物件が急に増えれば、価格は下がります。
相続によって手放される物件が増える、あるいは金利上昇で返済に窮した売りが増える、といったことが考えられます。
ただしこれも、いつ起きるかは分かりません。
3つとも「いつ」が分からない
ここまで読んで感じられたと思いますが、どの要因も、起きるかどうかと、いつ起きるかが分かりません。
分からないものを待つと、待っている間の家賃だけが確実に出ていきます。
だからこそ相場ではなく、自分の準備で買う時期を決めてください。
名古屋で中古マンションを買うときの進め方
ここからが本題です。
順番を間違えると、いい物件が出ても動けません。
この順番どおりに進めてください。
1 無理のない予算を先に決める
いくらいい物件を購入できたとしても、支払いが毎月の家計を圧迫してしまっているようでは、そもそも家を買う目的が達成されません。
そして予算が決まっていないと、いざいい物件を見つけたときに決めきれません。
支払いの不安に駆られて迷っている間に、他の人が買っていきます。
まず一番はじめに、ご自身にとって無理のない予算を把握してください。
ここでいう予算とは、銀行が貸してくれる金額ではありません。
金利が1%上がっても払い続けられる金額のことです。
2 担当者を先に決める
中古マンションの購入は、誰から買うかによって結果が大きく変わる商品です。
買ってはいけない物件の見極め、年々複雑化する税制への対応、欲しいと思った物件を確実にものにする段取り。
担当者が果たす役割は非常に大きいです。
人柄がいいだけでは足りません。
物件が出てから担当者を探していては間に合いません。
時間をかけてでも、探し始める前に見つけておいてください。
3 物件探しを自動化しておく
在庫が少ない中で、毎日物件情報を集めることは現実的ではありません。
不動産業者の担当者にお願いしておくのも良いですが、担当者も人ですので、忙しくなれば後回しになってしまいます。
そこでシステムを使って、条件に合う物件が出たら自動で届く仕組みを作っておいてください。
見逃しをなくすことが、いい物件を買う一番の近道です。
4 住宅ローンの事前審査を通しておく
気になる物件が出てきたら、内覧の前に住宅ローンの事前審査を通しておいてください。
売主から見れば、審査が通っている買主のほうが安心です。
同じ条件で買付が重なったとき、事前審査の有無で結果が変わることがあります。
審査には数日かかりますので、物件が出てからでは間に合いません。
5 価格交渉は慎重にする
物件の供給量が少ない状況では、いい物件にはすぐ複数の買付が入ります。
相場と比較してあまりにも高いものは交渉してもいいかもしれません。
ただし相場と比べて妥当な価格であれば、本当に欲しい物件なら交渉せずに買付証明書を出すことも考えてください。
100万円の交渉にこだわって物件を失えば、次に同じ条件の物件が出るまで何か月も待つことになります。
その間の家賃を考えれば、どちらが損かは明らかです。
6 買う前に管理組合の状態を確認する
最後に、これがいちばん見落とされます。
マンションは建物を買うのではなく、管理組合という組織に加入する買い物です。
修繕積立金が足りていないマンションは、購入後に値上げか一時金の徴収が待っています。
私は年間1000棟以上のマンションの管理組合を調査していますが、実感覚として3割くらいは「買わない方がいい」と判断しています。
急いで決める必要がある市場だからこそ、ここだけは省略しないでください。
大きな買い物だからこそ、入念な事前準備をしておく
名古屋で中古マンションの購入に失敗しないためには、何よりもまず事前準備をしっかりしておくことです。
何事も準備で8割が決まると言いますが、住宅購入においても例外ではありません。
大きな買い物になりますので、賃貸のように行き当たりばったりで物件情報サイトから問い合わせるのではなく、しっかり順番を決めたうえで進めていきましょう。
よくある質問
名古屋で中古マンションを買うとき、何から始めればいいですか?
予算を決めることからです。
物件を見るのはその後にしてください。
予算が決まっていないと、いい物件が出ても決められません。
いい物件はどれくらいの速さで決まりますか?
条件のいい物件は、公開されてから数日で複数の買付が入ることがあります。
そのため事前審査まで済ませておくかどうかで結果が変わります。
価格交渉はしないほうがいいのですか?
相場と比べて明らかに高い物件であれば交渉の余地があります。
相場どおりの価格で、かつ本当に欲しい物件であれば、交渉にこだわって失うリスクのほうが大きくなります。
相場が下がるまで待ったほうがいいですか?
おすすめしません。
待っている間の家賃が出ていきますし、価格が下がる局面では金利が上がっていることがあります。
この記事の相場予測は当たりましたか?
金利が上がるという部分は当たり、それによって相場が下がるという部分は外れました。
相場の予測で買う時期を決めないでください。
買う前に必ず確認すべきことは何ですか?
管理組合の財政です。
修繕積立金の残高、滞納の状況、借入の有無、長期修繕計画の中身を見てください。
これらは重要事項調査報告書に書かれています。
そのマンション、管理は大丈夫ですか
管理組合の財政は、重要事項調査報告書や総会議事録にしか書かれていません。物件情報サイトを見ても出てきません。
- 重要事項調査報告書をアップロードするとA〜E判定が出る
- 将来修繕積立金がいくらまで上がるかが分かる
- 積立金の残高・滞納・借入・長期修繕計画の中身まで見る
登録は無料です。診断を実行したときに、初めて料金がかかります。

宅地建物取引士、2級FP技能士、ホームステージャー2級
ハウスクローバー株式会社、スタイルイノベーション株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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