ご存知の通り、日本の人口減少はもうすでに始まっています。
世帯数自体は核家族化の影響もあり2019年がピークで、その後減少に転じると言われております。
しかし、単独世帯数に限って言うと2030年ころまで増え続けるいう予測が国立社会保障・人口問題研究所より発表されています。
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『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(2013(平成25)年1月推計)|国立社会保障・人口問題研究所
国立社会保障・人口問題研究所
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実際の業務でも単身の方の住宅購入の相談は増えてきています。
増えるコンパクトマンション
伸び悩む収入や、単独世帯数の増加などを背景に、比較的小さい規模のコンパクトマンションが増えてきています。
実際の中古住宅でもかつての狭い2DKといった間取りを1LDKなどに変更するリノベーションも増えています。
ここ数年、統計で言えば60㎡以上のファミリータイプの部屋の供給数が減り、50㎡以下のコンパクトマンションが従来よりも増えています。

(引用元:http://style.nikkei.com/article/)
このデータは2012年の調査なので今はもう少し増えているかもしれません。
ただし、50㎡以下のマンションの購入には気を付けなければいけない注意点がいくつか存在します。
40㎡と50㎡、制度によって境目が違う
かつては「床面積が50㎡を切ると各種の税制優遇が受けられない」というのが定説でした。
いまはこれが正確ではありません。
制度によって、境目が40㎡のものと50㎡のものに分かれています。
まずここを整理します。
住宅ローン控除は40㎡から使える
国土交通省は床面積要件について「40㎡以上に緩和(合計所得金額1,000万円超の者、子育て世帯等への上乗せ措置利用者は50㎡以上)」としており、この緩和は既存住宅にも適用されます(出典:国土交通省「住宅ローン減税」)。
つまり40㎡台のコンパクトマンションでも、住宅ローン控除は使えます。
ただし条件があります。
合計所得金額が1,000万円を超える方は、これまでどおり50㎡以上が必要です。
なお中古住宅の場合、控除期間は10年、控除率は年末残高等の0.7%、控除額の上限は認定住宅等が年21万円、その他の住宅が年14万円です。
かつての「1%が10年」という数字も変わっていますので、あわせて覚えておいてください。
贈与の非課税枠も40㎡から
父母や祖父母から住宅取得の資金を贈与された場合の非課税制度も、床面積40㎡以上240㎡以下が要件です。
こちらも40㎡以上50㎡未満の場合は、受け取る側の合計所得金額が1,000万円以下であることが必要です(出典:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」)。
非課税限度額は、省エネ等住宅で1,000万円、その他の住宅で500万円です。
適用できるのは令和6年1月1日から令和8年12月31日までの贈与とされています。
登録免許税の軽減は50㎡から
一方で、登記にかかる登録免許税の軽減は床面積50㎡以上が要件のままです。
所有権移転登記は本則2.0%のところ特例で0.3%、抵当権設定登記は本則0.4%のところ特例で0.1%になります。
たとえば建物の固定資産税評価額が500万円の場合、特例を受けられれば1万5千円で済むところが、受けられないと10万円になります。
借入額2,000万円の抵当権設定登記であれば、2万円で済むところが8万円です。
40㎡台のマンションでは、ここで差が出ます。
不動産取得税の軽減も50㎡から
不動産取得税の軽減も、床面積50㎡以上240㎡以下が要件です。
40㎡台のマンションでは、この軽減を受けられません。
整理すると
- 住宅ローン控除 40㎡から(所得1,000万円超は50㎡から)
- 贈与税の非課税 40㎡から(40〜50㎡未満は所得1,000万円以下)
- 登録免許税の軽減 50㎡から
- 不動産取得税の軽減 50㎡から
40㎡台のマンションは「税制がまったく使えない」わけではなく、「一部が使えない」ということです。
金額として大きい住宅ローン控除が使えるかどうかは、購入の判断に直結します。
いまだに「50㎡未満は税制優遇が一切使えません」と説明する担当者がいますので、注意してください。
気を付けたい面積の落とし穴
最後に気を付けなければいけない点があります。
それは表記上の床面積が建築基準法の面積か登記上の面積か、です。
建築基準法の面積は壁の真ん中から面積を計るのに対し、登記上では壁の内側となります。
通常、面積が広くなるのは建築基準法による面積で、販売図面に記載されているのは大体こっちです。
しかし税制上では建築基準法の面積では無く登記上の面積を基準にします。
この点を見落としてしまうと、受けられると思っていた各種の税制優遇が受けられないという事態になります。
40㎡台、50㎡台の物件はどちらも境目に近いので、必ず登記簿で確認してください。
広告に「41.5㎡」と書かれていても、登記簿では40㎡を切っていることがあります。
実際私のところでは無いですが、この種のトラブルはよく耳にします。
このようなトラブルに巻き込まれないよう、税金のところまでしっかりカバーできる営業担当者か見極める必要があります。
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よくある質問
50㎡未満のマンションでも住宅ローン控除は使えますか?
使えます。
床面積要件は40㎡以上に緩和されており、この緩和は既存住宅にも適用されます。
ただし合計所得金額が1,000万円を超える方は、50㎡以上が必要です。
40㎡台のマンションで使えない制度はありますか?
登録免許税の軽減と、不動産取得税の軽減です。
どちらも床面積50㎡以上が要件のままです。
広告の面積と登記簿の面積はどれくらい違いますか?
広告は壁の中心線から測る壁芯面積、登記簿は壁の内側から測る内法面積です。
内法面積のほうが狭くなります。
40㎡台や50㎡台の物件は境目に近いので、必ず登記簿で確認してください。
コンパクトマンションは資産価値の面でどうですか?
単身世帯は増えており、需要そのものはあります。
一方でファミリー層には売りにくいため、買い手が限られる面があります。
立地が良ければ流動性は保てますので、駅からの距離を優先してください。
コンパクトマンションは住宅ローンが借りにくいですか?
金融機関によっては床面積の下限を設けています。
フラット35の場合、中古住宅の共同住宅は30㎡以上が要件です。
申し込む前に、その金融機関の下限を確認してください。
面積の確認は誰に頼めばいいですか?
仲介する不動産会社の担当者に、登記事項証明書を取り寄せてもらってください。
税制の適用可否まで確認してくれるかどうかは、担当者によって差があります。

宅地建物取引士、2級FP技能士、ホームステージャー2級
ハウスクローバー株式会社、スタイルイノベーション株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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