この記事でわかること
- 仲介手数料がいくらかかるのかが分かる
- その金額に見合う仕事とは何かが分かる
- 物件情報を紹介するだけの会社を見分ける方法が分かる
- 仲介業者を通さない場合に何を自分でやることになるかが分かる
物件情報はネットで簡単に手に入ります。
内覧もスマートフォンで鍵を開けられるシステムが登場しています。
それなら仲介手数料を払う意味はあるのかと考えたことはないでしょうか。
3,000万円の物件を買う場合、仲介手数料の上限は105万6,000円(税込)です。
決して小さい金額ではありません。
私は不動産業界で17年、この仕事をしてきました。
この記事では、その金額に見合う仕事とは何なのか、そして見合わない会社をどう見分けるかを書きます。
なお売買仲介に絞ってお話しします。
仲介手数料はいくらかかるか
仲介手数料の上限は宅地建物取引業法で決められています。
物件価格が400万円を超える場合、物件価格×3%+6万円+消費税が上限です。
- 2,000万円の物件 72万6,000円
- 3,000万円の物件 105万6,000円
- 4,000万円の物件 138万6,000円
- 5,000万円の物件 171万6,000円
これはあくまで上限であって、必ずこの金額というわけではありません。
そしてこの金額は、どの会社に頼んでも同じです。
同じ金額を払うのであれば、より多くの仕事をしてくれるところを選ぶべきということになります。
物件情報の紹介だけがすべてではない
一昔前であれば不動産会社に行かなければ物件情報にありつけませんでした。
しかし、最近ではインターネットが発達し、住宅に限って言えばほとんどネットに載っている時代です。
しかも今後は売主が直接インターネットに物件情報を掲載する時代が来るかもしれません。
実際に、売主が自分で物件を売り出せるサービスはこれまでいくつも登場してきました。
そのたびに業界内からは批判の声が上がりますが、本当のところは将来自分たちの仕事がなくなるのではないかという不安から来ているのではないかと考えています。
どうも、「不動産会社=物件情報の紹介」という認識になっているのではないでしょうか。
事実、不動産仲介業者は物件情報の紹介にかける時間が多く、契約までが仕事の大半という会社も多いです。
こういう考え方をしていたら、ITによって仕事がなくなるのではないかと考えるのは必然的かもしれません。
消費者でもこういった認識を持たれている方も多いのではないでしょうか?
SNSの普及など、誰もが手軽に情報を発信することができるようになった現在、物件の入手経路は何も不動産仲介業者に限らない。
その行く末にあまり光明が見えなくなりつつあるのではないでしょうか。
求められる不動産仲介業者の役割
それではこんな時代に求められる不動産仲介業者の役割とは何でしょうか?
私の考える不動産仲介業者の役割とは、不動産取引を安全に進めるようにすることです。
安全に進めるということは取引後に「こんなはずではなかったのに・・・」とならないように、「目に見えないもの」「見ても分からないもの」「気付かないもの」を把握しているして伝えることです。
この3点は当事者に不測の不利益を被らせてしまう可能性が高いからです。
実際に中古住宅を購入して後悔・失敗したという理由でよく聞くのは
「住んでみたら欠陥住宅だった」
「不動産会社やリフォーム会社がいい加減だった」
「期待していた住環境と違った」
「リフォームやメンテナンスに想定外の時間とお金がかかった」
「保証やアフターサービスがなかった」
などがあります。
しかし、不動産仲介業者が気付いていたら全部防げることです。
たとえ浸水記録など、宅建業法上、義務の無い項目でもプロとして明示を怠ることがあってはいけません。
それでも仲介業者が必要な理由
ここでこの記事のタイトルに戻って考えてみます。
ITが発達して「物件情報の紹介」が不動産仲介業者の仕事でなくなったとしても、不動産仲介業者は無くならないと考えています。
中古住宅とはその商品の性質上、生涯において購買活動を何度もするものでもなく、不動産取引について知らない消費者が大半です。
また知っていたところで、消費者自身がやろうとしてもなかなか出来るものでもありません。
こういった取引を安全に進めていくためのサービスは、不動産仲介業者でなくてはならないものになる可能性が高く、不動産取引の中で仲介業者の存在感はより高くなっていくものと考えております。
不動産のテクノロジーが進んでいるアメリカでも、Webだけで完結できるサービスは登場していますが、既存の不動産業者に取って代わるまでには至っていません。
やはり大きな買い物で失敗が許されない取引だからこそ、多少コストがかかったとしても、不動産業者を使うメリットを感じているのではないでしょうか。
ただし、付加価値を提供できない「物件紹介が主な業務」な不動産仲介業者は今後淘汰されていくのではないかと思います。これから求められるのは、安全な取引はもちろんのこと、より一歩進んだ価値を提供できる不動産業者なのではないでしょうか。
手数料に見合わない会社の見分け方
同じ手数料を払うのですから、何をしてくれるかで選んでください。
次の質問をしてみると、ある程度分かります。
「この物件の過去の修繕履歴を見せてください」
中古マンションであれば、管理会社に照会すれば分かります。
面倒がる、あるいは「特に問題ないと思います」で済ませる担当者は避けてください。
「この物件のデメリットを3つ教えてください」
どんな物件にも弱点はあります。
いいことしか言わない担当者は、調べていないか、隠しています。
「このエリアの成約事例を出してください」
売り出し価格ではなく、実際に成約した価格です。
これを出せるかどうかで、その価格が妥当かを判断できます。
「重要事項調査報告書を取り寄せてください」
中古マンションの場合、管理組合の財政はここにしか書かれていません。
これを取り寄せずに契約を進めようとする担当者は、危険です。
私は年間1000棟以上のマンションの管理組合を調査していますが、実感覚として3割くらいは「買わない方がいい」と判断しています。
その判断はこの書類を読まなければできません。
まとめ
仲介手数料は、物件情報を教えてもらうための費用ではありません。
取引を安全に進めてもらうための費用です。
物件情報を出すだけの会社に払う100万円は高すぎますし、リスクを潰してくれる会社に払う100万円は安いです。
同じ金額を払うのですから、誰に頼むかを自分で選んでください。
よくある質問
仲介手数料はいくらですか?
物件価格が400万円を超える場合、物件価格×3%+6万円+消費税が上限です。
3,000万円の物件なら105万6,000円になります。
仲介手数料は値引きできますか?
上限が決まっているだけなので、下げること自体は可能です。
ただし手数料を下げた分、調査や手続きの質が落ちる可能性があります。
何が省かれるのかを確認してください。
ネットで探せるなら仲介業者は不要ではないですか?
物件を見つけることと、安全に買うことは別の作業です。
登記、境界、管理組合の財政、契約条件の確認は自分では難しい部分です。
売主から直接買えば手数料はかかりませんか?
売主が不動産会社の場合、仲介手数料はかかりません。
ただしその会社は売主の立場ですので、買主の側に立って助言する人はいないことになります。
いい担当者はどうやって見分けますか?
物件のデメリットを聞いてみてください。
3つ挙げられない担当者は、調べていないか隠しています。
担当者は自分で選べますか?
選べます。
会社に問い合わせると担当が割り当てられますが、担当者を先に選んでから問い合わせることができるサービスもあります。
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宅地建物取引士、2級FP技能士、ホームステージャー2級
ハウスクローバー株式会社、スタイルイノベーション株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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