中古住宅・中古戸建てのメリットとデメリット|築年数の節目と確認すべき5項目

中古戸建のメリット・デメリットについて説明します。読者対象となる方は中古戸建を検討している方ですが、新築戸建てを検討している人も役立つ内容になっています。

新築戸建てと比較しながら説明しつつ、中古戸建を選ぶ場合に失敗しないためのポイントにも言及しているからです。

この記事でわかること

  • 中古戸建てのメリットとデメリットが7つずつ分かる
  • デメリットをどう抑えられるかが分かる
  • 1981年6月と2000年6月という2つの節目の意味が分かる
  • 「中古は税制で不利」がすでに正しくないことが分かる
  • 境界や再建築の可否など、戸建て特有の確認項目が分かる

新築戸建てか中古戸建てか

一昔前は、新築にこだわる方が多かったように感じますが、最近では中古の良さが見直されたり、良質な中古戸建てや制度面でも充実してきたこともあり、新築戸建てに限らず中古戸建てを対象とする方も増えてきました。

住宅購入を検討されている人の中には、物件の種別よりも学区やエリアなどを限定して探す方も多く、新築戸建てだけでは対象物件数が少なくなってしまうことも一因としてあると思います。

しかし、中古と聞くとそれだけで不安に感じる方も多いかもしれません。ここでは、中古住宅のメリットとデメリットを説明し、デメリットを抑えながら希望にかなう家探しをしていく方法を説明していきます。

またこの記事は中古戸建てのみを良しとするものではなく、あくまで家探しにおいて対象物件の幅を広げていただくことで、より良い買い物をしていただこうという趣旨で書いております。

中古戸建てのメリット

まずは新築戸建てと比較した、中古戸建のメリットについて説明していきます。

1.価格が安い

一番のメリットはやはりその価格の安さではないでしょうか。エリアや立地、建物の状態にもよって大きく変わってきますが、同じエリアに同じ立地、建物条件であれば2~5割ほど価格は安くなります。

価格が安くなれば、ライフプランにおいても住居費用に回すお金が減るので、その他の支出にまわすお金が増え、それが暮らしの豊かさに繋がっていきます。また下のグラフを見ていただくと値下がりのカーブも新築に比べて緩やかになります。

(出典:財団法人東日本不動産流通機構「REINS TOPIC 築年数から見た首都圏の不動産流通市場」)

築30年以降はさらに価格が下落しますが、旧耐震基準の建物が該当すますので、新耐震基準の建物であれば築20年以上であれば価格が安定する傾向になります。

値下がりのカーブが少ないということは、家を購入した時と、将来売却した時の価格差が小さくなります。その分だけ住居費用の支出が安く済んだという考え方も出来ます。逆に新築では、購入時と売却時の価格差が大きくなりますので、住居費用の支出が高くなる傾向があります。

また不動産会社が売主になる新築と比べて、個人が売主となることが多い中古戸建ては消費税がかからないというメリットもあります。消費税が高くなればなるほど、新築戸建てと中古戸建ての価格さも開いていきます。

 

2.広い家が多い

また価格が安くなる分、新築戸建てよりも広い家を狙うことも出来ます。都心部では昔よりも地価が上がっていることが多く、一昔前であれば2階建ての物件が多く出ていたのが、今は土地の面積が狭くなり3階建て物件が増えてきています。

将来の老後のことを考えた時に、3階建てを懸念する方も多く、そういった方たちにとってもゆとりのある間取りが多い中古戸建てはメリットが多いように感じます。実際のデータを見ても築年数が古い方が土地の面積が広くなっていっているのが分かると思います。

(出典:財団法人東日本不動産流通機構「REINS TOPIC 築年数から見た首都圏の不動産流通市場」)

このように物件そのもののスペックは中古戸建ての方が良いケースも多くあります。またローコスト住宅並の坪単価でハイスペックな住宅を手に入れることも中古戸建てであれば可能になります。

3.立地がいい

基本的に良い立地にはすでに建物が建っていることが多く、人気の高いエリアほどその傾向が高くなります。もしそのようなエリアで新築が出てきたとしても、往々にして予算オーバーになるのではないでしょうか。それでも中古戸建てであればそのようなエリアでも手が届く価格帯で出てくることもあります。

また新築戸建ての場合は駅から遠くなる場合も多く、立地の良さで比べれば中古戸建てに軍配があがります。駅からの距離や将来的な資産価値も考える方であれば新築よりも中古の方が向いていると思います。

4.実際に見て日当たりなどを確認出来る

新築戸建てで特に注文住宅などを購入する場合に比べて、既に建っているので日当たりや風通しなどを確認することが出来ます。その他管理状態や問題点も分かるため、市場価格のゆがみを利用して、割安な物件に巡り合える可能性もあります。

ちなみに市場価格の歪みとは、手入れが行き届いていて、まだまだ使用価値はあるのに、古いというだけで建物がほとんど評価されずに売りだされている物件のことを言います。

こういった物件は土地のみの価格で売りに出されていることもあり、目利きが必要にはなりますが、お買い得な中古戸建てに出会える可能性もあります。

他にも暮らしのイメージもしやすく、空家になっていればすぐに引越しすることも出来ます。

5.リノベーションにより新築よりも安く同等の性能の家が手に入る

最近ではリノベーションと呼ばれる、表面的な修繕だけでなく、耐震性や断熱性などの性能向上を行う大規模改善が増えてきております。

リノベーションを上手に利用すれば、新築に比べて安い価格で、新築と変わらない性能と注文住宅のような間取りを手にいれることも出来ます。

ただしエリアによっては新築で買った方が安いこともありますし、中古戸建ての中には管理状態があまり良くなく、壊してしまった方が安いケースもあります。中古戸建てを購入するにあたって気を付けておきたいポイントは以下の記事も参照ください。

http://www.style-innovation.com/contents4/chuukokodate-tyekku-poinnto
http://www.style-innovation.com/contents4/chuukokodate-tyekku-poinnto

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6.中古ならではの味わい

例えば昔の日本家屋にあるような古家をリノベーションする場合、新築では得られない中古戸建てならではの味わいを得ることが出来ます。

これまでの歴史を見ていても、最新のデザインよりも時代によっては古き良きものが評価されることがあります。

好みの問題にはなりますが、中古戸建ても味わいがあっていいと思える方は中古戸建も検討してみてもいいのではないかと思います。

7.神経質にならなくて良い

これは実際に営業の現場でよく聞く声です。比較的小さなお子さんがいらっしゃる家庭であればあるほど実感するそうです。どうしても小さな子供はわんぱくで、壁や室内も汚れます。

そんな時に神経質にならずに済むのはやはり中古戸建てのメリットではないでしょうか。新築の家を汚されたくないばかりに、注意することが多くなるのは、注意する方もストレスがたまりますし、注意されるお子さんにとっても決して良いものではありません。

そういうところに神経質になってしまいそうなのであれば、初めから中古戸建ても対象にするのも良いかもしれません。

 

中古戸建てのデメリット

ここからは中古戸建てのデメリットと、そのリスクを軽減させる対策の説明をしていきます。

1.見えない部分への不安

中古戸建てを検討するにあたって多くの人が不安に感じることではないでしょうか?中古戸建に限らず見えない部分の欠陥は新築戸建てにもあります。

表面的には問題なさそうに見えても実際に住み始めたて、いろいろ問題が出てきたらどうしようかと不安になるのはもっともなことです。

これについては、2018年4月より義務化されることが決まっている、インスペクション(住宅検査)を利用することで回避することが出来ます。

インスペクションとは、建築士の資格を持っている第三者が、一般の消費者では分からないような床下や屋根裏なども検査していくことです。

これにより、建物の問題点が事前に把握できるようになるため、修繕の計画や価格面で交渉をするなどの対策を打てるようになります。

2.見えない部分に対する保証

見えない部分の欠陥を瑕疵(かし)といい、それに対する売主の責任を契約不適合責任といいます。

2020年4月1日の民法改正で、それまでの「瑕疵担保責任」から名称と内容が変わりました。

古い資料では今も「瑕疵担保責任」と書かれていることがありますが、現在その制度はありません。新築では基礎や柱などの主要構造部分の瑕疵について、法律で10年間売主が保証することが決められています。

中古戸建てであっても売主が不動産業者である場合は、宅地建物取引業法により2年以上の期間を定めることが求められています。

しかし、個人が売主となることが多い中古戸建ての場合は、引き渡しから3か月に限定する特約を付けるのが一般的です。

新築の場合、売主が10年間の主要構造部分において責任を負いますが、そもそも不動産業者が倒産してしまうリスクに備えて、保証金を供託するか、代わりに瑕疵保険という国土交通省が主体になる保険に加入することを義務付けています。

そしてこの瑕疵保険が現在は中古住宅でも利用できるようになっていて、主要構造部分についても最長5年の保証がつけられます。

ただしこの保険に加入するにはインスペクションが必須で、さらに保険の加入要件を満たす必要があります。加入要件を満たす可能性が高い中古戸建てもありますので、それについては以下の記事も参照にしてみてください。

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3.新しくはない

国土交通省が実施したアンケートによると、中住住宅を選ばなかった一番の理由として挙げられているのが、「何となく新築がいい」という理由です。新築至上主義と言われた過去の価値感が今もなお色濃く残っていることが分かります。

人によってはどうしても新築でなければ嫌だという方もいると思います。しかしよくよく考えてみると、いくら新築であっても住み始めれば中古で

同じ条件で比べた場合、費用面でも資産価値の面でも中古戸建てが勝る部分があるため、それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで判断するようにしましょう。

4.メンテナンス費用の積み立てを急がなければいけないことも

外壁や防水、設備関係など、一般的に10年のサイクルでメンテナンスが必要になると言われています。

購入するタイミングによっては近い将来、メンテナンスをする必要性が出る可能性もあるため、通常よりも短い期間でメンテナンス費用を積み立てなければいけないことも考えられます。

売主からのメンテナンス履歴の取得やインスペクションによってある程度計画を建てることが出来ます。購入時だけでなく、近い将来のメンテナンス費用も踏まえた資金計画を建てるようにしましょう。

5.ローンが通りにくいことも

築年数が比較的浅い物件ならそこまで問題になることは少ないですが、旧耐震基準の物件になると、借入期間や借入可能額などの条件が新築に比べて悪くなる金融機関もあります。

対策としては自己資金を多く貯めることですが、金融機関による違いが大きいため、状況応じた金融期間を選ぶようにしましょう。

6.耐震性や性能面に不安のある物件も

日本の建築基準法では1981年(昭和56年)6月1日に耐震基準の大きな変更がありました。

この日以降に建築確認を受けた建物が、いわゆる新耐震基準の建物です。

そして戸建てで言えば2000年(平成12年)にも大きな変更があり、地盤に応じた基礎の設計、柱や筋かいの接合部の金物、壁の配置バランスについて基準が加わりました。

これ以降の建物が現行の耐震基準となっています。

つまり、1982年以降の建物であっても現行の耐震基準を満たさない物件もあります。また同じ時期に省エネの基準も引き上げられているため、断熱などの性能面でも差が出やすくなります。

2000年以降の物件であれば、大きな性能向上を伴うリノベーションは必要ないと思いますが、それ以前であれば耐震診断やインスペクションを行ったうえで、改修する必要も出てきます。逆に言えば、2000年以降の中古戸建ては狙い目だとも言えます。

7.税制優遇が新築よりも劣る

一般的に中古戸建ては新築戸建てと比べて税制優遇などの制度が利用しにくいと言われてきました。

ただしこの点は、2022年の改正で状況が大きく変わっています。

以前は「木造は築20年以内」という要件があり、これを超える中古戸建ては住宅ローン減税の対象外でした。

この築年数要件は廃止されています

現在は「建築後使用されたことのある家屋で、耐震基準に適合するものとして証明等がされたもの」が対象とされ、昭和57年1月1日以後に建築された家屋であればこれに該当します(出典:国税庁「No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合」)。

つまり築25年でも築35年でも、昭和57年1月1日以降に建てられた家であれば住宅ローン減税が使えます。

新築との差として残るのは、控除期間と借入限度額です。

中古住宅の控除期間は10年、控除率は年末残高等の0.7%で、上限は認定住宅等が年21万円、その他の住宅が年14万円とされています。

なお2026年に入居する分からは、省エネ性能の高い既存住宅について借入限度額を引き上げ、控除期間を13年間に拡充することとされました(出典:国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!」)。

「中古だから税制が不利」という説明は、もう正確ではありません

制度の理解と、経験のある不動産仲介業者を見付けることがポイントになります。制度の内容や気を付けるポイントについては、以下のリンクをご参照ください。

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中古戸建てで必ず確認すること

メリットとデメリットが分かったら、次は実際にどこを確認するかです。

私が中古戸建てを扱うときに、必ず確認している項目をお伝えします。

建築時期は2つの節目で見る

1981年6月1日と、2000年6月1日の2つです。

1981年6月1日以降に建築確認を受けたものが新耐震基準、2000年6月以降のものが現行の基準を満たしています。

売買図面に載っているのは完成年月ですので、建築確認を受けた時期とは数か月ずれることがあります。

節目の前後の物件は、確認済証や検査済証で日付を確かめてください。

建物状況調査(インスペクション)を使う

中古戸建ての最大の不安は、見えない部分です。

建物状況調査を使えば、構造上主要な部分と雨水の浸入を防ぐ部分について、専門家が劣化や不具合の状況を確認してくれます。

費用はかかりますが、購入後の想定外の出費を考えれば安いものです。

調査の結果は、値引き交渉の根拠にもなります。

境界が確定しているか

戸建てはマンションと違い、土地の境界の問題が出てきます。

境界標があるか、確定測量図があるか、隣地との間で越境がないかを確認してください。

塀や屋根、樹木の枝が越境しているケースは珍しくありません。

売買のときに覚書を交わしておかないと、あとで揉める原因になります。

再建築ができる土地か

建て替えができない土地があります。

道路に2メートル以上接していない土地は、原則として建て替えができません。

再建築不可の物件は価格が安く見えますが、売るときも買い手が限られます。

住宅ローンが使えないこともありますので、必ず確認してください。

シロアリと雨漏りの履歴

売主が知っている不具合は、告知書に書かれます。

過去にシロアリの被害や雨漏りがあったか、そのときどう補修したかを確認してください。

補修の記録が残っている家は、むしろ手を入れてきた家だと考えることもできます。

戸建選びで失敗しないために

中古戸建てのメリット・デメリットと、デメリットの対策を説明してきましたがいかがでしたでしょうか。冒頭でも書きましたが、近年は新築戸建てと中古戸建ての両方を、エリアを絞って探す方がとても多いです。

それならば中古戸建てのメリットを理解しつつ、デメリットを抑えていければば、きっと良い家にめぐり合う可能性が高くなるのではないでしょうか。

気を付けていただきたいのは新築戸建てだけでなく、中古戸建ても検討の対象にする時は、中古戸建ての取り扱いに慣れた不動産仲介業者を選ぶ必要があるということです。

正直申し上げて新築戸建ては仲介をする立場に取って、一番簡単で儲かります。逆に一番難しいのは中古戸建てです。新築戸建ては売主である不動産会社が責任を持ってくれますし、調査することもほとんどありません。

このような理由から、新築戸建てばかりを扱う不動産仲介業者も多くいます。新築専門業者では、中古戸建を取り扱う知識も経験もほとんどありません。また中古戸建は新築戸建てに比べると手間がかかる割には利益も少ないです。

しかも中古戸建ては個別性が非常に強く物件の見極めや制度利用において、経験や知識が絶対的に必要です。そうすると、中古戸建ても検討対象にいれていても、紹介されることはないですし、自分で見付けて仲介を依頼したとしても結果としてご自身が期待してたものと全然変わってしまう可能性すらあります。

逆に普段から中古戸建を扱っている業者にとっては新築戸建てを扱うことは簡単です。このことを理解した上で、新築戸建てだけでなく中古戸建ても検討するのであれば、不動産仲介業者選びは慎重に行うようにしてください。

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よくある質問

中古住宅のデメリットは何ですか?

見えない部分の状態が分からないこと、保証が新築より限られること、そして建物の性能が建築時期に左右されることです。

いずれも建物状況調査や建築時期の確認で、事前に減らすことができます。

中古住宅は買わないほうがいいですか?

そのようなことはありません。

同じ予算で立地の良い場所を選べる、実際の建物を見てから決められるという利点があります。

デメリットは調べることで小さくできますが、立地は買ったあとに変えられません。

中古住宅は税制で不利になりますか?

以前は「木造は築20年以内」という要件があり、これを超えると住宅ローン減税が使えませんでした。

この要件は廃止されており、昭和57年1月1日以後に建築された家屋であれば対象になります。

新築との差として残るのは、控除期間と借入限度額です。

築何年までの中古戸建てなら安心ですか?

年数で線を引くより、建築時期の節目で見てください。

1981年6月1日以降が新耐震基準、2000年6月以降が現行の基準です。

2000年以降の中古戸建ては、性能面で手を入れる必要が少なくなります。

中古戸建てとリノベーション済み物件、どちらがいいですか?

リノベーション済みは、工事の費用が価格に上乗せされています。

自分で手を入れたい部分がある場合は、リノベーション前のほうが安く済むことが多くなります。

反対に、すぐ住みたい場合や工事の手間をかけたくない場合はリノベーション済みが向きます。

中古戸建てで住宅ローンは通りますか?

新耐震基準の物件であれば、新築と大きく変わりません。

旧耐震基準の物件は、借入期間や借入可能額の条件が厳しくなる金融機関があります。

再建築不可の土地はローンが使えないこともありますので、事前に確認してください。

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