令和8年地価公示では、全国の全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇しました。
三大都市圏では上昇幅が拡大しましたが、名古屋圏はいずれも上昇幅が縮小しています(出典:国土交通省「令和8年地価公示の概要」)。
上がってはいるものの、上がり方は落ち着いてきているということです。
地価が上昇は景気の回復を意味し、不動産の売却では大きなメリットがあるもの、購入時は税が増加するなどのデメリットも存在します。
名古屋で中古マンションを購入するのであれば、地価上昇率が高いエリアを把握することが大切です。それでは、名古屋の人気中古マンションエリアや購入の注意点についてご紹介しましょう。
エリアで資産価値が決まると思われがちですが、同じエリアでも管理で差がつきます。重要事項調査報告書から管理をA〜E判定する診断で確かめられます。
名古屋市の地価は16区すべてで上がっている
中古マンションの価格は、その土地の地価と連動します。
まず名古屋市の地価が実際にどう動いているかを見ておきましょう。
名古屋市が公表している地価公示の資料によると、2026年の住宅地の平均価格は名古屋市全体で1㎡あたり230,000円、前年比プラス3.5%でした。
区別に見ると次のようになります(住宅地・1㎡あたり・カッコ内は前年比)。
- 中区 1,253,000円(+4.4%)
- 東区 594,000円(+4.8%)
- 昭和区 329,600円(+3.9%)
- 千種区 309,900円(+4.6%)
- 熱田区 280,400円(+6.6%)
- 瑞穂区 279,300円(+2.9%)
- 名東区 241,300円(+3.7%)
- 中村区 218,100円(+3.6%)
- 西区 202,600円(+2.7%)
- 天白区 197,200円(+2.4%)
- 北区 183,600円(+1.7%)
- 緑区 171,600円(+3.6%)
- 南区 166,200円(+2.2%)
- 中川区 150,100円(+2.3%)
- 守山区 140,300円(+3.4%)
- 港区 122,600円(+1.7%)
(出典:名古屋市「地価公示(住宅地・商業地平均価格)の長期推移(市・区別)」)
16区すべてが前年より上がっています。
つまり名古屋市内で「地価が下がっているから安く買えるエリア」は、いまのところありません。
上昇率が高いのは熱田区・東区・千種区
上昇率で見ると、熱田区の6.6%が最も高く、次いで東区4.8%、千種区4.6%、中区4.4%と続きます。
熱田区は名古屋駅と金山という2つの拠点の間にあり、交通の便がよいわりに価格が抑えられていたエリアです。
割安感があったエリアほど、上昇率が高くなっています。
一方で港区1.7%、北区1.7%、南区2.2%のように、上昇が穏やかなエリアもあります。
商業地はさらに上がっている
商業地の2026年の平均価格は、名古屋市全体で1㎡あたり1,162,300円、前年比プラス3.8%でした。
区別の上位は次のとおりです。
- 中村区 3,104,200円(+2.9%)
- 中区 2,184,600円(+4.3%)
- 東区 1,183,800円(+3.3%)
- 千種区 638,500円(+7.7%)
- 熱田区 636,400円(+6.8%)
名古屋駅のある中村区が突出しています。
駅前の再開発が続く限り、周辺の住宅地の価格も下支えされます。
地価が上がると中古マンションはどうなるか
地価が上がると、新築マンションの分譲価格が上がります。
新築が高くなれば、買えない層が中古に流れます。
その結果として中古マンションの価格も上がります。
実際、愛知県の中古マンションの成約㎡単価は2026年7月時点で前年同月比プラス4.4%でした(出典:公益社団法人中部圏不動産流通機構「月例速報マーケットウォッチ 2026年7月度」)。
地価の上昇率とほぼ同じ動きをしていることが分かります。
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価格が上がりやすいエリアの共通点
数字だけを見ても、どこを選ぶべきかは決まりません。
地価が上がっているエリアには、いくつか共通点があります。
複数路線が使える
地下鉄が1路線しか通っていないエリアより、複数路線が使えるエリアのほうが価格を保ちます。
勤務先が変わっても住み続けられるためです。
売るときの買い手の幅が広くなります。
教育環境の評価が高い
名古屋では学区によって住宅需要が大きく変わります。
千種区や昭和区の地価が高い理由の一つがこれです。
子育て世帯は学区で住むエリアを決めるため、需要が景気に左右されにくくなります。
再開発が進んでいる
名古屋駅周辺や栄では再開発が続いています。
再開発は完成までに時間がかかりますので、計画が発表された段階から周辺の価格に織り込まれていきます。
すでに完成している場所より、これから進む場所のほうが伸びしろがあります。
供給が少ない
中古マンションの在庫が少ないエリアは、価格が下がりにくくなります。
ただしこれは裏を返せば、欲しい物件がなかなか出てこないということでもあります。
出たときにすぐ動けるよう、事前の準備が必要になります。
名古屋と周辺エリアの相場傾向
マンションの価格は様々な不動産関連のサイトで表示されていますが、表示されている数字は実際の価格でないことがほとんどです。表示されている価格はデータベースから得た「売られている」価格なので、売り手が希望している価格を示します。
成約価格と売り出し価格は大きく差が出ることもあるので、実際の相場を知る際は実際に売買された成約価格をチェックしましょう。では、成約価格のデータを元に、名古屋市と周辺エリアの相場傾向をご紹介します。

名古屋はマンションの相場が上昇傾向
国土交通省では不動産価格指数という不動産の相場価格変動をまとめた指数を公表しています。2017年12月に発表した指数によると、アベノミクスが始まった2012年12月から、2017年9月までの約5年間はマンションの指数が35%も上昇しています。成約価格にすると、単価21.9万円/㎡から29.6万円/㎡に上昇しているのです。
その一方、戸建住宅には大きな上昇がみられません。その理由は都心にマンションが集中し、郊外に戸建て住宅があることから上昇に差がみられるのです。
2017年はやや上昇スピードが弱まっているので、ゆっくりと上昇を続ける可能性があるでしょう。
ここ最近の名古屋の中古マンション相場推移については、「名古屋で2019年以降に中古マンションを購入するならいつがいい?」で詳しく触れているので、合わせてご参照ください。
愛知県のマンション価格も上昇中
名古屋以外の愛知県内で売れ残っているマンションの相場は、アベノミクスから上昇傾向にあります。アベノミクスが始まる前は約21万円/㎡でしたが、2017年には約28万円/㎡にも上昇しているのです。
しかし、成約件数はあまり増えておらず、単価も売れ残りのマンションよりも低い結果となっていました。つまり、高値で売り出していますが、売れ残っているマンションが多い傾向にあることを示しています。
名古屋で中古マンションが少ないエリアには注意が必要
名古屋市の特徴として、他の大都市圏と比べて一戸建ての人気が高いと言われています。
名古屋市の中でも、マンションが多いところと一戸建てが多いエリアがあり、一戸建てが多いエリアにおいては、そもそも中古マンションよりも戸建てのニーズが高く、マンションが売れにくい立地もあります。
こういったエリアにある中古マンションは価格の落ち幅も大きい傾向があり、中古マンションは比較的低価格で売られています。
一戸建てが多く新築されているようなエリアでマンションを探すときは、こういった特性も注意しながら探すようにしましょう。
名古屋での中古マンション購入、失敗しないためには?
マンションに限らず、住宅の購入には大きな費用がかかるため、人生に1回しか経験しない出来事になることがほとんどです。
念願の住宅を手に入れるなら、購入後後悔しないマンション選びが重要になります。失敗しないためには何に気をつけると良いのでしょうか?中古マンション購入後に後悔したことから学んだことをご紹介します。
中古マンションの購入を考え始めたばかりの方は、「中古マンションを購入するときの注意点を徹底解説」も合わせてご参照ください。

住宅ローン関連
まず、最も多かったのが住宅ローンに関連することです。中古マンション購入後に住宅ローン返済が始まりますが、マンションは集合住宅となるため、共有している部分や管理にかかるお金が必要になります。
そのため、毎月の返済費用の他にマンションの管理費や共益費、修繕積立費や駐車場などローンとは別に支払う必要があり、この金額も急な値上げによって変わってくる可能性があります。
またマンションの敷地全体の面積を居住用住戸で割った面積や、部屋の階数によって固定資産税も変わってきます。これは手放すまで毎年支払いの義務があります。
家族構成が変わると、毎月の出費額も異なってきます。現在ローンがギリギリ支払えるから大丈夫などと思わずに、余裕のある住宅ローンを組めるようにしましょう。
関連記事「名古屋で住宅ローンを組むときの5つのポイントとおススメは?」
間取りや階数
間取りや階数もライフスタイルの変化によって、後悔してしまうことがあります。子どもが生まれることで、生活の中心は子どもに代わってきますが、購入時ちょうど良い間取りであっても、子どもの人数によって部屋数も必要になってきます。
間取りの変更はリフォームではなく、大規模工事をする必要がありますが、マンションによっては許可していないところもあり、これによって窮屈な生活になってしまう場合もあるのです。
また、階数も1階などにしたことでエレベーター待ちなどからは逃れることができますが、小さい子どもがいるとセキュリティ面や日当たりの悪さなどが心配になってくる方もいます。だからといって高層階に住居を構えると、外気の影響を受けやすくなり、暑さと寒さを感じやすくなることもあります。
将来のことを考えて購入できるように、家族構成がどのように変化する可能性があるか、家族が増えた場合どうするのかなどをシュミレーションしておくと良いでしょう。さらに、メリットだけでなくデメリットも考えて、どのような間取りや階数が適しているのか検討してみましょう。
立地や周辺の環境
駅から近くて周囲も住宅街で車などの騒音の心配がなく、安心して暮らせそうだと思っても、実際に住んでみて感じることや、家族構成の変化によって不便に感じることもあります。
駅から近くて周囲も落ち着いた環境に見えていても、実際に住んでみたら大通りの渋滞を避ける裏道として利用されていて朝晩の車通りが激しかったというケースや、子どもが生まれたことで公園などの遊び場や小児科などの病院に行くことが増えたが、自宅周辺には公園も小児科もなく非常に住みにくくなったというケースもあります。購入する場合は、マンションの周辺状況や環境も確認しておきましょう。
不動産会社選び
マンション購入や住宅購入の際にどうしても関わってくるのが不動産会社です。不動産会社トラブルでは、こちらの要件を聞きながら実際には要望通りの部屋ではなかったことや、対応の悪さに困惑してしまうことがあります。
入居して問題に気が付いたがきちんと対応してくれない、保障期間がないので修理は有料になるなどのトラブルが多く、また入居後にも付き合っていくため、最初に不信感を感じたらその不動産会社からは購入しない方が良いでしょう。またその反対に最初に良いことばかりを言い、実際にトラブルが起きたら知らん顔をする不動産会社もあります。
見極めも難しいのですが、とにかく要望は伝えて、それに対しての返答をもらったときは、いつ、誰から、どんな返事をもらったのか記録しておきましょう。また納得できないときは妥協しないで、納得するまで確認するようにしましょう。
不動産会社選びの重要性やポイントについては、「【住宅購入】不動産会社はどこがいいか?選び方と注意点を教えます!」も参照ください。
構造や設備
中古マンションでは、建物内の設備の老朽化や使いにくさを感じることがあります。一見新しいように見えても古くなっていることもあるため、入居前に設備や構造で何か感じることがあれば伝えておきましょう。気がつかないまま購入してしまうと、買い替えやメンテナンスを自分で行わなければならなくなってしまいます。
また、このような設備の不備や建物の構造は図面だけでは判断することができない場合もあります。中古マンションを購入する場合には、図面だけで判断せずに必ず現地に行って確認するようにしましょう。
災害時の避難経路の確認や、管理はどこがしているのか、外壁や構造、設備などメンテナンス記録があるかなども知っておきましょう。
中古マンションの購入は、これらのことに注意しておく必要がありますが、マンション購入を失敗しないためには、現地に足を運んで実際に目で見て確認することと、将来的に今のライフスタイルを継続させることができるのか、何を最も優先させるのかを明確にしておくことが大切です。
実際に足を運んでみることで、イメージしているものとギャップがあることもあるので、中古マンションは必ず内覧をしておきましょう。
また、将来的にライフスタイルや家族構成が変わることが予想される場合、1年や2年後ではなく、10年や20年の間に何が変わるのかを想像しておきましょう。
子育てが終わり老後を視野にいれている場合、足腰が弱くなっても使いやすいかどうかを考えて、バリアフリーに近い設備がマンション内の共有スペースなどにあるかも確認しましょう。
条件が全てが揃ったマンションを探すという意味ではなく、何を1番優先すべきなのかを考えて、妥協できない部分とできる部分を明確にしておくと良いです。
いくら厳選して選んだ中古マンションであっても、購入後に失敗したと感じることや住んでから不満を感じることはあります。
ただ、トータル的に満足できる物件を選んでいれば問題はありませんし、中古マンション選びは成功したと考えて良いでしょう。名古屋市で中古マンションを探すなら、これらのことに注意して失敗しないマンションを選んでみましょう。
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よくある質問
名古屋で地価が上がっているのはどの区ですか?
2026年の地価公示では、名古屋市16区すべてで住宅地の平均価格が前年より上がっています。
上昇率が最も高いのは熱田区の6.6%で、次いで東区4.8%、千種区4.6%です。
いちばん地価が高い区はどこですか?
住宅地では中区で、1㎡あたり1,253,000円です。
商業地では名古屋駅のある中村区が1㎡あたり3,104,200円で最も高くなっています。
地価が安いエリアを選んだほうが得ですか?
買う値段は安くなりますが、売るときも安くなります。
住み続ける前提なら選択肢になりますが、住み替えの可能性があるなら価格を保つエリアを選んでください。
地価が上がると中古マンションも上がりますか?
連動します。
地価が上がると新築の分譲価格が上がり、買えない層が中古に流れるためです。
人気エリアで探すと予算が足りません
エリアを妥協するより、面積や築年数で調整するほうが将来の価値を保ちやすくなります。
立地は後から変えられませんが、内装は変えられます。
エリアを決めたあと、何を確認すればいいですか?
管理組合の財政です。
同じエリアの同じ築年数でも、管理の状態によって将来の価値は大きく変わります。
そのマンション、管理は大丈夫ですか
管理組合の財政は、重要事項調査報告書や総会議事録にしか書かれていません。物件情報サイトを見ても出てきません。
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ハウスクローバー株式会社、スタイルイノベーション株式会社の創業者兼CEO。また同時に、毎年全国から2〜300組ほどの住宅購入希望者の相談があり、実際の購入もサポートする現役の不動産エージェントでもある。業界歴は17年。多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営している。自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。
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