不動産業界が全国で盛んな状態であることから、平成28年は全国地価平均が上昇に転じました。特に大都市の商業地は高い伸びとなり、愛知の商業地でもある名古屋も上昇傾向にあるようです。
地価が上昇は景気の回復を意味し、不動産の売却では大きなメリットがあるもの、購入時は税が増加するなどのデメリットも存在します。
名古屋で中古マンションを購入するのであれば、地価上昇率が高いエリアを把握することが大切です。それでは、名古屋の人気中古マンションエリアや購入の注意点についてご紹介しましょう。
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名古屋市の中古マンション人気エリア
2016年の地価公示価格の上昇率を見てみると、名古屋は住宅地が0.8%、商業地が3.3%、全用途が1.3%でした。日本で大きな商業地を持つ東京と大阪が2.7%なので、名古屋はそれを上回る上昇率と分かります。
地価が上がると不動産の価格は高くなりますが、長期的に地価が下がりにくいエリアはブランド力があります。ブランド力があるエリアはたくさんの人が住みたいと思うエリアなので、長期的に考えると地価が上昇し下がりにくいエリアは人気エリアの基準でもあるのです。
名古屋駅周辺は再開発が行われ、リニア開業の駅を建設される予定なので、将来的に地価変動があると考えられています。また、市内でアクセス良好なエリアは利便性があり、人の流動性もあることから地価が上がりやすく、人気エリアとなっています。
地価が上がった商業エリアと住宅街
名古屋の商業エリアではどのくらいの地価公示価格となっているのでしょうか?名古屋は商業エリアだけではなく、住宅地でも上昇がみられるので過去のデータですが2016年の地価公示価格を見ていきます。
名古屋の商業エリアの地価公示価格
中村区:地価・112万6627円、上昇率・12.56%
中区:地価・94万5333円、上昇率5.08%
東区:43万円5250円、上昇率4.90%
名古屋駅のある中村区や栄などの繁華街がある中区、東区は、2016年に最も地価の上昇率が高いことが分かりました。桜通線が運行する中村区所駅は中古マンションの坪単価が106.0万円で、価格維持率は92.3%を誇ります。※価格維持率とは、新築時の価格を100として、築年後10年のとの対比のことを言います。
中区の矢場町駅は中古マンション単価が124.0万円で価格維持率が89.8%です。東区の高岳駅は新築マンションの坪単価が186.0万円に対して、中古マンションは229.6万円となっており、価格維持率は123.5%となっており、特に地価が下がりにくいことが分かります。
名古屋の住宅エリアの地価公示価格
千種区:地価・29万9339円、上昇率・3.50%
昭和区:地価・26万3034円、上昇率・4.90%
学校や自然に多く住宅エリアとして人気な千種区や高級住宅街がある昭和区は、名古屋中心部の異動に便利で、高所得者も多いことから上昇率が上がったようです。
千種区の池下は中古マンションの坪単価が138.3万円で価格維持率は94.7%となっています。昭和区の八事は125.5万円の坪単価で、価格維持率は86%と、どちらも高水準です。
お手頃で地価上昇率が良いエリア
地価が高いと新築よりも中古の方が高くなりやすく、なかなか手が出せないという場合もあるでしょう。そこで、名古屋市内でお手頃な地価でありながら、上昇率に期待できる住宅エリアをご紹介します。
天白区:地価・16万1558円、上昇率・3.10%
名古屋で開発されたエリアでも比較的に新しく、地方からの移住者も多いエリアです。名古屋市内へのアクセスはもちろん、豊田市へのアクセスも抜群です。落ち着いた雰囲気やほどよく自然があり、名古屋市内や豊田市内のファミリー層から支持されています。
西区:地価・19万6797円、上昇率・3.59%
名古屋城の西側で中村区と隣接しているエリアです。古い街並みが残るのが特徴的で、地下鉄鶴舞線や名鉄線、高速道路があるので、市内外へ出る際の利便性も良いでしょう。
瑞穂区:地価・22万 2656円、上昇率・3.68%
桜の名所である山崎川など自然が豊富で静かな住宅地が広がるエリアです。学校や商業施設もたくさんあり、安定した生活が送れるでしょう。また、人気の理由は地下鉄により名古屋中心部へのアクセスが優れている点もあります。
名古屋と周辺エリアの相場傾向
マンションの価格は様々な不動産関連のサイトで表示されていますが、表示されている数字は実際の価格でないことがほとんどです。表示されている価格はデータベースから得た「売られている」価格なので、売り手が希望している価格を示します。
成約価格と売り出し価格は大きく差が出ることもあるので、実際の相場を知る際は実際に売買された成約価格をチェックしましょう。では、成約価格のデータを元に、名古屋市と周辺エリアの相場傾向をご紹介します。
名古屋はマンションの相場が上昇傾向
国土交通省では不動産価格指数という不動産の相場価格変動をまとめた指数を公表しています。2017年12月に発表した指数によると、アベノミクスが始まった2012年12月から、2017年9月までの約5年間はマンションの指数が35%も上昇しています。成約価格にすると、単価21.9万円/㎡から29.6万円/㎡に上昇しているのです。
その一方、戸建住宅には大きな上昇がみられません。その理由は都心にマンションが集中し、郊外に戸建て住宅があることから上昇に差がみられるのです。
2020年の東京オリンピックや日銀のインフレ目標により都心部では大きく上昇しているため、名古屋もその影響を受けています。2017年はやや上昇スピードが弱まっているので、ゆっくりと上昇を続ける可能性があるでしょう。
ここ最近の名古屋の中古マンション相場推移については、「名古屋で2019年以降に中古マンションを購入するならいつがいい?」で詳しく触れているので、合わせてご参照ください。
愛知県のマンション価格も上昇中
名古屋以外の愛知県内で売れ残っているマンションの相場は、アベノミクスから上昇傾向にあります。アベノミクスが始まる前は約21万円/㎡でしたが、2017年には約28万円/㎡にも上昇しているのです。
しかし、成約件数はあまり増えておらず、単価も売れ残りのマンションよりも低い結果となっていました。つまり、高値で売り出していますが、売れ残っているマンションが多い傾向にあることを示しています。
名古屋で中古マンションが少ないエリアには注意が必要
名古屋市の特徴として、他の大都市圏と比べて一戸建ての人気が高いと言われています。
名古屋市の中でも、マンションが多いところと一戸建てが多いエリアがあり、一戸建てが多いエリアにおいては、そもそも中古マンションよりも戸建てのニーズが高く、マンションが売れにくい立地もあります。
こういったエリアにある中古マンションは価格の落ち幅も大きい傾向があり、中古マンションは比較的低価格で売られています。
一戸建てが多く新築されているようなエリアでマンションを探すときは、こういった特性も注意しながら探すようにしましょう。
名古屋での中古マンション購入、失敗しないためには?
マンションに限らず、住宅の購入には大きな費用がかかるため、人生に1回しか経験しない出来事になることがほとんどです。
念願の住宅を手に入れるなら、購入後後悔しないマンション選びが重要になります。失敗しないためには何に気をつけると良いのでしょうか?中古マンション購入後に後悔したことから学んだことをご紹介します。
中古マンションの購入を考え始めたばかりの方は、「中古マンションを購入するときの注意点を徹底解説」も合わせてご参照ください。
住宅ローン関連
まず、最も多かったのが住宅ローンに関連することです。中古マンション購入後に住宅ローン返済が始まりますが、マンションは集合住宅となるため、共有している部分や管理にかかるお金が必要になります。
そのため、毎月の返済費用の他にマンションの管理費や共益費、修繕積立費や駐車場などローンとは別に支払う必要があり、この金額も急な値上げによって変わってくる可能性があります。
またマンションの敷地全体の面積を居住用住戸で割った面積や、部屋の階数によって固定資産税も変わってきます。これは手放すまで毎年支払いの義務があります。
家族構成が変わると、毎月の出費額も異なってきます。現在ローンがギリギリ支払えるから大丈夫などと思わずに、余裕のある住宅ローンを組めるようにしましょう。
関連記事「名古屋で住宅ローンを組むときの5つのポイントとおススメは?」
間取りや階数
間取りや階数もライフスタイルの変化によって、後悔してしまうことがあります。子どもが生まれることで、生活の中心は子どもに代わってきますが、購入時ちょうど良い間取りであっても、子どもの人数によって部屋数も必要になってきます。
間取りの変更はリフォームではなく、大規模工事をする必要がありますが、マンションによっては許可していないところもあり、これによって窮屈な生活になってしまう場合もあるのです。
また、階数も1階などにしたことでエレベーター待ちなどからは逃れることができますが、小さい子どもがいるとセキュリティ面や日当たりの悪さなどが心配になってくる方もいます。だからといって高層階に住居を構えると、外気の影響を受けやすくなり、暑さと寒さを感じやすくなることもあります。
将来のことを考えて購入できるように、家族構成がどのように変化する可能性があるか、家族が増えた場合どうするのかなどをシュミレーションしておくと良いでしょう。さらに、メリットだけでなくデメリットも考えて、どのような間取りや階数が適しているのか検討してみましょう。
立地や周辺の環境
駅から近くて周囲も住宅街で車などの騒音の心配がなく、安心して暮らせそうだと思っても、実際に住んでみて感じることや、家族構成の変化によって不便に感じることもあります。
駅から近くて周囲も落ち着いた環境に見えていても、実際に住んでみたら大通りの渋滞を避ける裏道として利用されていて朝晩の車通りが激しかったというケースや、子どもが生まれたことで公園などの遊び場や小児科などの病院に行くことが増えたが、自宅周辺には公園も小児科もなく非常に住みにくくなったというケースもあります。購入する場合は、マンションの周辺状況や環境も確認しておきましょう。
不動産会社選び
マンション購入や住宅購入の際にどうしても関わってくるのが不動産会社です。不動産会社トラブルでは、こちらの要件を聞きながら実際には要望通りの部屋ではなかったことや、対応の悪さに困惑してしまうことがあります。
入居して問題に気が付いたがきちんと対応してくれない、保障期間がないので修理は有料になるなどのトラブルが多く、また入居後にも付き合っていくため、最初に不信感を感じたらその不動産会社からは購入しない方が良いでしょう。またその反対に最初に良いことばかりを言い、実際にトラブルが起きたら知らん顔をする不動産会社もあります。
見極めも難しいのですが、とにかく要望は伝えて、それに対しての返答をもらったときは、いつ、誰から、どんな返事をもらったのか記録しておきましょう。また納得できないときは妥協しないで、納得するまで確認するようにしましょう。
不動産会社選びの重要性やポイントについては、「【住宅購入】不動産会社はどこがいいか?選び方と注意点を教えます!」も参照ください。
構造や設備
中古マンションでは、建物内の設備の老朽化や使いにくさを感じることがあります。一見新しいように見えても古くなっていることもあるため、入居前に設備や構造で何か感じることがあれば伝えておきましょう。気がつかないまま購入してしまうと、買い替えやメンテナンスを自分で行わなければならなくなってしまいます。
また、このような設備の不備や建物の構造は図面だけでは判断することができない場合もあります。中古マンションを購入する場合には、図面だけで判断せずに必ず現地に行って確認するようにしましょう。
災害時の避難経路の確認や、管理はどこがしているのか、外壁や構造、設備などメンテナンス記録があるかなども知っておきましょう。
中古マンションの購入は、これらのことに注意しておく必要がありますが、マンション購入を失敗しないためには、現地に足を運んで実際に目で見て確認することと、将来的に今のライフスタイルを継続させることができるのか、何を最も優先させるのかを明確にしておくことが大切です。
実際に足を運んでみることで、イメージしているものとギャップがあることもあるので、中古マンションは必ず内覧をしておきましょう。
また、将来的にライフスタイルや家族構成が変わることが予想される場合、1年や2年後ではなく、10年や20年の間に何が変わるのかを想像しておきましょう。
子育てが終わり老後を視野にいれている場合、足腰が弱くなっても使いやすいかどうかを考えて、バリアフリーに近い設備がマンション内の共有スペースなどにあるかも確認しましょう。
条件が全てが揃ったマンションを探すという意味ではなく、何を1番優先すべきなのかを考えて、妥協できない部分とできる部分を明確にしておくと良いです。
いくら厳選して選んだ中古マンションであっても、購入後に失敗したと感じることや住んでから不満を感じることはあります。
ただ、トータル的に満足できる物件を選んでいれば問題はありませんし、中古マンション選びは成功したと考えて良いでしょう。名古屋市で中古マンションを探すなら、これらのことに注意して失敗しないマンションを選んでみましょう。
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