新築の場合は完成するまで建物の外部・内部を見ることはできませんが、中古はすでに完成した建物を見学した上で購入を決定できるというメリットがあります。
見学・内覧するメリットはお気に入りの物件を見つけられることだけではなく、見学を繰り返すことで自分が何を重視しているのか絞ることができ、スムーズに物件選びができるようになることと言えるでしょう。
ただし、見学・内覧時の注意点を理解せずに見学していると、実際に購入した時に後悔してしまうケースも少なくありません。そこで、名古屋で中古マンション・中古戸建てを購入したい人に向けて、見学・内覧の注意点や見ておきたいポイントについて解説していきます。
部屋を内覧する際の注意点
名古屋で気になる中古マンションや中古戸建てが見つかったら見学・内覧となりますが、まずは物件の不動産会社へ見学・内覧の予約を入れましょう。
内覧は不動産会社の担当者が同行しないと見ることはできません。中古物件の場合、募集の段階でも売主が居住しているケースは珍しくないため、売主の都合も考えて行われます。
見学・内覧を希望する場合、予約なしで不動産屋を訪問しても当日内覧できないケースがほとんどです。内覧を希望する時はあらかじめ不動産屋に予約するようにしましょう。
既に見たい物件が決まっている場合はその物件を伝え、まだ決まっていない場合は条件や希望を伝えておくと、当日見学・内覧可能な物件を紹介してもらえる可能性があります。
居住中物件を内覧するときのポイント
中古マンションや中古戸建ての場合、売主さんが住みながら売却活動をする「居住中」物件があります。
空き家であれば、隅から隅までゆっくり見ることが出来るのですが、居住中の物件は売主さんがいる中で内覧をしますので、なかなか気を遣ってそういうわけにはいかなくなると思います。
しかし、売主さんは情報の宝庫です。売主さんしか知り得ないような近所にどんな人が住んでいるかとか、夜の雰囲気とか、自治会や管理組合の様子であったり、様々なことを聞くチャンスでもあります。
またコミュニケーションをしっかりとれていると、多少の価格交渉が通りやすくなることもあります。やはり一度もあったことがない状態で価格交渉をされるのと、一度顔を合わせてコミュニケーションを取っているのとでは心証も違うのでしょう。
人が住んでいるというだけで、内覧を遠慮する人も多いですが、メリットもたくさんありますので、ぜひ色々コミュニケーションを取ってみましょう。
物件情報の収集と見学・内覧に用意するもの
名古屋の不動産会社に中古マンションや中古戸建ての見学・内覧を予約する時、同時に物件の情報も収集しましょう。中古物件の購入は先着となるため、購入手続きをしている人がいれば購入することはできません。しかし、事前に検討している人がいることが分かれば、気に入ったらすぐに手続きして購入することができるでしょう。
見学・内覧後に気にった物件をとられないためにも、物件を売却する理由や他に購入検討者がいるかどうかなど、物件の情報を不動産で集めてください。その他周辺もあらかじめ確認しておくようにしてください。余裕があれば昼だけでなく夜も見ておくといいと思います。
そして、内覧当日に持っていくものですが、特別必要なものはありません。ただ、気になったことがあった時にすぐ書き込めるメモや筆記道具があると良いでしょう。また、用意できるのであれば物件周辺の地図やメジャー、間取り図もあると便利です。
物件周辺の地図は地図表がなくても、周辺の情報や道のりが分かっていれば特に必要ありません。間取り図に関しては不動産会社側が用意しているので、個人的に用意することはほとんどないでしょう。
メジャーも不動産会社が持っていくケースがほとんどですが、天井の高さやスペースの幅が既存の家具や家電に合うかどうかを確認する時に必要なので、心配な方は個人での持参がおすすめです。特に中古マンションは壁際に梁がある物件が多く、天井に高低差が生じる場所があるのでしっかり確認しておきましょう。
室内を見る時の7つのチェックポイント
名古屋の中古マンション・中古戸建ての見学・内覧では、室内の様々な部分をじっくり見ることができます。室内を見る時、細かく見ていないと後悔する可能性があるでしょう。流し見しないように、室内を見る時のチェックポイントをご紹介します。
第一印象
まず部屋に入った時の第一印象を確認しましょう。部屋の明るさや天井の高さ、空間の広さなどから居心地の良い空間であるか第一印象で判断してください。
トイレ、洗面室、浴室
中古物件は使用済みなのでトイレや浴室などの水まわりにカビが生えていないか、また配管から嫌な悪臭がしないかチェックしましょう。清潔感がない場合は購入を諦めても良いですし、また可能であればリフォームや配管掃除を依頼して解消する方法も選択可能です。
キッチン
キッチンは清潔感だけではなく、使用しやすい位置にあるかどうかが重要です。もしリフォームをする場合は、水まわりの位置を変更すると大きな費用がかかるため、水まわりの使いやすさも確認しておくことが大切です。
水栓、給湯器
シングルレバー水栓の場合、耐用年数が10年のものが多く、入居したタイミングによってはすぐ交換が必要になることがあります。給湯器も12~15年が寿命で、取り換えとなると20~30万円となるでしょう。予想外の事態が起きないように、水まわりの水栓が故障していないか、給湯器を最後に更新したのはいつかチェックしましょう。
天井、壁、床
中古物件は屋根や外壁の劣化で雨漏りを起こしたり、カビが生えたり、またクロスの歪み・ひび割れなど様々なトラブルを抱えている可能性があります。
床は歪みや斜めに傾いている箇所もあるかもしれません。なので、天井・壁・床の状況を確認し、また戸境壁や床の厚みがどのくらいかも把握し、生活しやすい空間なのかリフォームが必要なのかを見極めましょう。
ドア、窓、バルコニー、眺望
ドアや窓はスムーズに開閉できるか、ドア枠やサッシに傾きや歪みがないか確認してください。名古屋ではバルコニー付きの中古物件も数多くありますが、エアコンの室外機が設置できるスペースがあるか、洗濯ものを乾かせるスペースがあるかどうかを確認しましょう。
また、窓からの眺めは資産価値にも影響があるので、前面の建物との距離や窓から向上や娯楽施設、墓地などの施設が見えないか眺望もチェックしてください。
方位、日当たり、風通し
日当たりや風通しの良し悪しによって冬場の暖房や夏の冷房といった光熱費に大きな影響を与えます。物件情報に書かれていることでも、実際に見学・内覧してみないと感じられないことなのでしっかりチェックしておきましょう。
中古戸建てのチェックポイントをより詳しく知りたい方は、「中古戸建で最低限押さえておくべきチェックポイント」も合わせてご参照ください。
中古マンションのチェックポイントをより詳しく知りたい方は、「中古マンションの購入で知っておくべき7つの注意点とは?」も合わせてご参照ください。
共用部で見ておきたいポイント
中古マンションを購入しようと考えた場合、見学や内覧を必ず行う方がほとんどかと思いますが、部屋の内部だけ見学するのではなく、共有部もしっかりと確認しなければいけません。
外観の雰囲気の好みだけではなく、周辺を利用している人たちの雰囲気や明るさ、音、ニオイなどをチェックして、快適に安心して暮らせるかを見極める必要があります。そこで、理想の中古マンションを手に入れるためにも共有部のどのポイントをチェックしたら良いのか確認していきましょう。
掃除が行き届いているか確認することが重要
中古マンションを見学する際に、共有部で始めに確認することは「掃除が行き届いているか」の確認です。通常、マンションでは定期的な清掃のほかに特別清掃などが行われます。
特別清掃では普段の掃除だけでは取れないような頑固な汚れを掃除したりし、マンションを綺麗に保っていくのです。共有部が綺麗であれば、マンションの管理がしっかりとされていることにもつながるので掃除に関しては必ず確認するようにしましょう。
マンション掃除のチェックポイントについて
具体的にどういった箇所をチェックしていけば良いのか確認していきましょう。
床
床は汚れやすいですが掃除が行き届いている中古マンションの場合、ゴミが落ちていることやシミや汚れが少ないです。また、亀裂を確認することも大切ですが、個々の玄関前も確認してみましょう。
玄関前にゴミを放置していることや、物が散乱しているなどマンションの美観を大切にしている住人であるかを確認することができます。
壁
掃除をする際に清掃業者によっては専用の機械を使用することが多いのですが、壁に擦れが生じる可能性も高いです。削られたような跡を放置しているマンションもあれば、しっかりと対策を施して清掃を行っている場合もあるので確認してみましょう。
銘板
マンションにはマンションの名前が書かれた銘板と呼ばれるものが設置してあります。マンションの顔とも言えるので、しっかりと綺麗に保たれているか確認してみましょう。
廊下
内廊下であるか、外廊下であるかによってチェックするポイントに違いがありますが、内廊下であれば使用されているカーペットの汚れを確認するほか、ニオイも確認してみましょう。
外廊下の場合は、雨が降った際に発生する雨だれの汚れがないかチェックします。また、電球切れの照明がないかも確認しましょう。
・清掃機用のコンセント
掃除をする際には専用の機械を使用することが多いので、マンションには清掃用のコンセントが設置されています。普段使用されることはないので、外部の人が盗電する可能性もゼロではありません。マンションによっては対策としてフタを取り付けて施錠管理している場合もあるので確認しておきましょう。
・エレベーター
落書きがされていないか、手垢が放置されていないか、汚れがないかを確認しましょう。
ゴミ置き場のチェックも忘れずに
マンションでは専用のごみ置き場を設けている可能性が高いです。中には24時間いつでも捨てることができるゴミ置き場など、便利に利用できる中古マンションもみられます。
管理がしっかりされていないと、汚れやニオイが酷い場合もあるので注意が必要です。ゴミが落ちて放置されていないか、汚れがないか確認するだけではなく、しっかりとゴミの分別がされているのか住人の美観意識についてもチェックしていきましょう。
駐車場や駐輪場の確認で住人の層を判断できる
マンションには駐輪場や駐車場が設置されていますが、どんな種類の車や自転車が駐車されているか確認することによって、そのマンションで生活している住人の層を把握することができます。
小さい子どもがいる場合には、車の中のチャイルドシートや自転車にチャイルドシートが取り付けているか確認することで判断できるので、同世代の友人が欲しい場合には確認してみましょう。ただし、車の中をジロジロ見る行為は失礼でもあり不審に思われる可能性も高いので注意が必要です。
エントランスや植栽のチェックも大切
エントランスでは汚れがないかチェックするだけではなく、集合ポストに郵便物が放置されていないかも確認しましょう。放置されている郵便物がある場合には、マンションの管理体制が整っていないことにもつながります。
また、植栽に関してはきちんと手入れがされているか確認します。花や草木が枯れたまま放置され、雑草が生い茂っている場合にはしっかりと管理がされていないことになります。どのくらいの頻度で手入れをしているのか管理会社に聞いてみましょう。
周辺環境・様々な条件での見学を行おう
名古屋で中古マンションや中古戸建てを購入する際には、周辺環境のチェックも大切です。快適に生活をするためにも必ず確認しましょう。
まず、最寄り駅までの距離です。不動産会社の情報では「駅から徒歩○分」などと記載されていることが多いですが、不動産公正取引協議によって定められた規約に基づいて掲載してあるのです。「徒歩1分=80m」となっているので、信号などの周辺の条件によっては多少の違いがあるでしょう。
なので、実際に自分の目で確認することが大切です。駅までどのくらいの時間で行けるのかチェックするだけではなく、駅までの途中にどんな店や施設があるのか確認しましょう。
曜日や時間帯を変えて周辺環境の確認を
中古マンションや中古戸建ての見学には、仕事の都合によって日曜日に訪れる人が多いです。ですが、曜日によって周辺環境に違いが出るので違う曜日にも訪れることが大切でしょう。
日曜日は仕事が休みの会社も多いので、静かである可能性も高いのですが、平日であれば人通りが増えて騒音やニオイが発生するなど、不快に感じる項目が出てくる可能性もあります。できる限り様々な曜日に確認しに行くと良いでしょう。
また、昼間や夜、晴れの日や雨の日、雪の日によっても周辺環境に違いが表れます。昼間は人通りが多く明るい道であっても、夜は人通りが少ないだけではなく街灯が少なければ子供や女性にとっては危険な道でもあります。そのため、あらゆる条件の元で見学を行うことが重要となるでしょう。
中古マンションや中古戸建ては実際に建っている場所で見学ができるので、生活を始めるイメージを掴みやすいという魅力があります。理想の物件選びができるように、注意点やチェックするポイントをあらかじめ把握しておくことが大切でしょう。